先端テックニュースまとめ読み from MITテクノロジーレビュー 第305回
大規模農業を脅かす「スーパー雑草」/チャットGPTは相手の名前で対応が変わる?
2024年10月29日 11時10分更新
世界最先端のテクノロジー情報をお届けするグローバルメディア「MITテクノロジーレビュー」から、ビジネスに役立つ注目のテック企業の最新動向、イノベーションにつながる最新の研究内容をピックアップして紹介します。
最強の生存者「雑草」が 農地を覆い尽くすまで
除草剤に頼ることで規模を急激に拡大してきた米国の大規模農業がいま、曲がり角にきている。除草剤に耐性を持つ「スーパー雑草」が急増し、収穫量を脅かしているのだ。化学薬品だけに頼らない対策が模索されている。
相手の名前で回答が変わる?チャットGPTに潜むバイアス明らかに
オープンAIの新たな研究で、チャットGPTがまれに名前に基づくステレオタイプを生成することが判明した。最新モデルでは0.1%程度だが、利用者数を考えると無視できない結果だ。
メタ、材料科学向けの最大規模のデータセットとAIモデルを無償公開
メタは、材料科学において最大規模のデータセットとAIモデル「オープン・マテリアルズ2024」を無償で公開した。材料科学分野の大規模データセットが公開されるのは異例で、新材料の発見につながる研究が加速しそうだ。
口頭指示で化学実験、24時間稼働するロボット研究助手
トロント大学のチームは、コンピュータービジョンと大規模言語モデルを組み合わせて、話し言葉での指示に従って複数ステップの化学実験を自動実行し、結果のレポートも作成できるデスクトップ型ロボットシステムを開発した。
松永浩貴:「枠を超えた発想」が生み出す革新的なロケット推進剤
防衛大学校応用科学群応用化学科講師の松永浩貴は、高エネルギーイオン液体(EILs)を見いだし、安全かつ高性能な次世代ロケット推進剤の開発を通じて民間主導の宇宙開発・宇宙利用を促進する。
大豆・昆虫の次は微生物、 空気からタンパク質を作る 「夢の食品工場」
世界的なタンパク質需要の増加に応える新技術として、二酸化炭素を直接タンパク質に変換する微生物が注目されている。従来の農地や水をほとんど使わず、環境負荷も低いことから、スタートアップなど25社が開発に取り組み、一部では商品化もされた。未来の人類の食卓を支える可能性はあるか。
AI生成テキストを見抜く「電子透かし」、グーグルが無償公開
グーグル・ディープマインドは、生成AIの出力に電子透かしを入れるツール「シンスID(SynthID)」をオープンソースとして公開した。生成時に人間が気づかない情報を埋め込み、AIによる文章かどうかを判別できるようにする。
グーグルのAIが議論の合意形成をお手伝い、人間より分断少なく
グーグル・ディープマインドは、意見が分かれる問題の議論で合意を形成するのに、生成AIが有用である可能性を示す研究結果を発表した。しかし、この技術が人間の仲介役に取って代わるには、まだまだ解決すべき課題が多い。
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