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Agentforceで目指す、人とAIが融合した新たな顧客体験とは

チャットボットとの違いは? 自ら顧客対応する“AIエージェント”、セールスフォースが国内投入

2024年10月21日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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カスタマーサポート向けの「Agentforce Service Agent」を日本投入、従来のチャットボットとの違いは?

 この自律型AIエージェント「Agentforce」の第一弾として、日本市場に投入されるのが、カスタマーサポート向けの「Agentforce Service Agent」だ。ウェブサイトからLINEやFacebookなどのSNS、モバイルアプリまで、様々なチャネルに実装できる、24時間365日、自律的に顧客をサポートするAIエージェントである。

Agentforce Service Agent

 これまで各チャネルに置かれていたルールやスクリプトベースのチャットボットは、決まったシナリオでしか対応できず、とれるアクションもFAQを検索して答えるといった限られたものに留まっていた。

 一方のAgentforce Service Agentは、Data Cloud上に蓄積されている顧客情報を理解して、パーソナライズされた接客をする。さらには、直前までの文脈を汲み取った自然な会話をして、シナリオ外の要求にも臨機応変に対応。返品手続きや配送日時の変更といったアクションまでを自律的に実行する。

チャットボットと自律型AIエージェントの違い

自律型AIエージェントの特徴

 構築における手間も軽減される。従来のチャットボットでは、膨大なルールを事前に作る必要があったが、AIエージェントでは、“人に指示をするような”感覚で設定できる。

 まずは、注文管理や修理、FAQなど、実行するジョブを「トピック」として定義、その上で各トピックでの具体的な「指示」を加えていく。最後に具体的な「アクション」として各データにアクセスする処理を割り当てる。これらはすべて自然言語を介して設定でき、用意されたテンプレートを活用することで、さらに素早く構築することも可能だ。

Agentforce Service Agent の構成要素

 セキュリティや信頼性の観点から、ガードレールとして制限や制約を持たせることもできる。例えば、注文内容を変更するアクションに制約を持たせると、スムーズに人のオペレーターへとエスカレーションする。こうして人と連携しながら、顧客満足度を向上させるのが、同社がAIエージェントで目指す世界だ。

 Agentforce Service Agentは、10月30日より、Einstein 1 Editionの購入もしくは、Enterprise Edition、Unlimited Edition、Performance Editionにアドオンライセンスを追加することで利用できる。価格は、“会話”単位での提供形態となり、日本での価格は調整中だが、米国ではひとつの会話の流れにつき2ドルからで提供している。

 今後は、他の領域にも自律型AIエージェントを拡大予定だ。さらには、エージェント対応アプリやエージェントのアクションを構築するパートナーのエコシステム「Agentforce Partner Network」をグローバルで開始。日本でも、マーケットプレイスである「AppExchange」上で、パートナーソリューションが展開されていく。

パートナー企業によるエージェント対応アプリも今後登場予定

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