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アラフォーで指導者ライセンスも取得! イラストレーターのもう一つの顔はチアダンス講師⁉

文●杉山幸恵

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 「キャンディ★フェアリー」「ガールズぬりえブック」シリーズといった著書をもつほか、さまざまな書籍、児童書、女性誌などの挿絵も手がけるイラストレーターのサトウユカさん。彼女は30歳でチアダンスを始め、さらにはJCDA日本チアダンス協会指導者ライセンスも取得。47歳となる現在も、カルチャーセンターやオンラインレッスンなどでチアダンス講師として活躍している。そんなライフシフトのきっかけとなったチアダンスとの出会いから、講師を目指した経緯、そしてチアダンスの魅力にいたるまで、ご本人にたっぷりと話を聞いてみた。

イラストレーター、チアダンス講師に加え、カードリーディングと片付けのアドバイスも仕事にしているサトウユカさん(写真中央)

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きっかけはテレビドラマ⁉ 熱い思いに突き動かされ30歳にしてチアダンスをスタート

 子どものころに新体操をテーマにした漫画を読んで以来、ずっとダンスにあこがれを抱いていたというサトウユカさん。しかしながら多種多様なダンススタジオがある今と違い、サトウさんが若いころはダンスがそれほど身近な存在ではなかった。さらには24歳、26歳で出産したことにより、自分の時間に自由がなく、ダンスを習う機会にはなかなか恵まれず…。それでも「いつかダンスを習ってみたい!」と心の中で思い続けていた中、30歳の時に運命の出会いが訪れたという。

 「テレビで『ダンドリ。〜Dance☆Drill〜』というチアダンス青春モノのドラマを見て、『私がやりたいのはこれだー!!!』と衝撃を受けました。長年、ダンスを習ってみたいと思っていた中で、自分がやりたいのがジャズダンスなのかヒップホップなのか、はたまたそれ以外なのか、ジャンルがわからずぼんやり考えていて。それがなんと、チアダンスはジャズダンス、ヒップホップ、ラインダンス(一列になって足を上げる)、ポンダンス(ポンポンを持ってアームモーションをそろえて踊る)で構成されていて、私がやりたいものがすべてそろっていたんです! 子どものころ、ポンポンを持って踊るスクールメイツにもあこがれていたので、その影響でポンポン自体にも魅力を感じていたんだと思います。同じころ、別のテレビ番組で芸能人がチアダンスに挑戦する企画があり、そこでコーチをされていた日本チアダンス協会(JCDA)代表の前田千代さんの熱い心にもすごく惹かれて。〝笑顔〟〝ポジティブ〟〝人を応援する〟というチアスピリットも自分の理想とピッタリきて、さらにチアに興味がわいていきました」

 チアダンスへの思いが日に日に熱くなっていったサトウさんはまず、見よう見まねで一人で練習をスタート。やがて友人も巻き込んで複数人で踊ったりすればするほど、チアダンス熱はあがっていくばかり。そこで、「初心者 大人 チアダンス」で検索をし、ヒットした社会人クラスに予約をすることに。ところが、意気揚々と向かった先には、キラキラとした〝チア女子〟ばかりで気後れをしてしまったとか。

 「そのころの私は、今より8~10キロほど太っていて、肌荒れもひどく、さらに仕事も大した業績を上げているわけでもなく、若くして出産したために自分が話せる話題が子どものことしかなく…と、外面も内面もとにかく何もかも自信がない状態でした。ですので、独身でかわいくてスタイルもよくてパッと華やかな子たちに、本当に気後れしてしまい。そんな自分の姿をクラスの鏡で見るのが本当に苦痛で、ストレッチもダンスも後ろの隅っこでやっていたんです(笑)。ただ、レッスン自体はものすごーく楽しくて、どんどん踊れるようになっていくのがうれしくて。家や子どもを連れていく公園でも1人で練習するなど、ますますチアに夢中になっていきました。その後、続けていくうちに『あれ?わたし結構センスあるんじゃない…?』と思えるようになってきて。それと共にだんだん痩せて体も柔らかくなり、さらにメイクを変えてみた結果、だんだんと自分に自信が持てるようになっていきました」

 始めた当初は月に2回通っていたレッスンもやがて週に2回となり、ますますチアダンスにのめり込んでいったサトウユカさん。3年経ったころには、レッスン後の自主練タイムには、初心者メンバーに振りを教えたりするほどに上達。さらには子どもが幼稚園に行っている間に体育館を借りて1人で自主練したり、メンバーとレッスン以外にもスタジオを借りて練習したり、YouTubeで海外のチアリーダーを見て研究したり、ほかのチアのワークショップに行ったりと、チアへの情熱は冷めるどころか、ますますヒートアップしていった。

「ある日のレッスン中に身体中からウワ〜〜ッと、『私、チアの先生になりたい‼』という思いが湧き上がったのです。なんだか不思議な体験だったので、今でもすごく覚えています。この大好きなチアを、私を変えてくれたチアを、多くの女性に伝えたい!と強く思ったんです。それと同時に、ウワ〜〜ッと沸いた情熱とは真逆のネガティブな〝ない〟が山のように浮かんできて…。踊れるようにはなってきたと言っても当時年齢は33歳、チア歴はたった3年、どこかのアメフトチームのチアリーダーをしたなどの経歴もない、チア協会やチアの世界に誰1人知り合いもいない、痩せたとは言ってもスタイルもそんなにいいわけでもない、そんなに美人でもない…と。こんな〝ないないづくし〟の私がチアの先生になんてなることができるのだろうか?と。いろいろ葛藤しましたが、最終的には湧き上がってしまった尋常じゃない情熱を、思い切って先生にぶつけることにしました」

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