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AMD、最大192コアを搭載する第5世代サーバー向けCPU「AMD EPYC 9005シリーズ」を提供開始

2024年10月11日 17時00分更新

文● ジャイアン鈴木 編集●北村/ASCII

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 AMDは2024年10月10日(現地時間)、サンフランシスコで開催された自社イベント「Advancing AI」の基調講演で、エンタープライズ、AI、クラウド向けの第5世代サーバーCPU「AMD EPYC 9005シリーズ」(コードネーム:Turin)の提供開始を発表した。

 「AMD EPYC 9005シリーズ」には製造プロセスの異なる2種類が存在し、Zen 5はTSMC 4nmプロセス、Zen 5cはTSMCの3nmプロセスで製造される。ソケットは広く普及している「SP5ソケット」を採用し、互換性を確保している。

AMD EPYC 9005シリーズのラインナップ
型番 コア数 CCD ベース/ブースト
周波数(GHz)
デフォルトTDP L3キャッシュ(MB) 価格
9965 192 Zen 5c 2.25 / 3.7 500W 384 $14,813
9845 160 Zen 5c 2.1 / 3.7 390W 320 $13,564
9825 144 Zen 5c 2.2 / 3.7 390W 384 $13,006
9755 128 Zen 5 2.7 / 4.1 500W 512 $12,984
9745 Zen 5c 2.4 / 3.7 400W 256 $12,141
9655 96 Zen 5 2.6 / 4.5 400W 384 $11,852
9655P Zen 5 2.6 / 4.5 400W 384 $10,811
9645 Zen 5c 2.3 / 3.7 320W 384 $11,048
9565 72 Zen 5 3.15 / 4.3 400W 384 $10,486
9575F 64 Zen 5 3.3 / 5.0 400W 256 $11,791
9555 Zen 5 3.2 / 4.4 360W 256 $9,826
9555P Zen 5 3.2 / 4.4 360W 256 $7,983
9535 Zen 5 2.4 / 4.3 300W 256 $8,992
9475F 48 Zen 5 3.65 / 4.8 400W 256 $7,592
9455 Zen 5 3.15 / 4.4 300W 192 $5,412
9455P Zen 5 3.15 / 4.4 300W 192 $4,819
9365 36 Zen 5 3.4 / 4.3 300W 256 $4,341
9375F 32 Zen 5 3.8 / 4.8 320W 256 $5,306
9355 Zen 5 3.55 / 4.4 280W 256 $3,694
9355P Zen 5 3.55 / 4.4 280W 256 $2,998
9335 Zen 5 3.0 / 4.4 210W 256 $3,178
9275F 24 Zen 5 4.1 / 4.8 320W 256 $3,439
9255 Zen 5 3.25 / 4.3 200W 128 $2,495
9175F 16 Zen 5 4.2 / 5.0 320W 512 $4,256
9135 Zen 5 3.65 / 4.3 200W 64 $1,214
9115 Zen 5 2.6 / 4.1 125W 64 $726
9015 8 Zen 5 3.6 / 4.1 125W 64 $527

 最上位の192コアCPU版「AMD EPYC 9965」では、競合製品である「Intel Xeon Platinum 8592+」の最大2.7倍のパフォーマンスを発揮するとAMDは謳っている。

Zen 5はTSMC 4nmプロセス、Zen 5cはTSMCの3nmプロセスで製造される。プラットフォームは「SP5ソケット」

5世代目でコア数は6倍に、パフォーマンスは11倍に向上

192コアCPU版「AMD EPYC 9965」は競合製品「Intel Xeon Platinum 8592+」の最大2.7倍のパフォーマンスを発揮と謳われている

 同シリーズに新たに追加された64コア版「AMD EPYC 9575F」は、GPUを活用したAIソリューション向けに特別にカスタマイズされている。ほかの64コア版(9555、9555P、9535)は最大4.3〜4.4GHzに留まるが、「AMD EPYC 9575F」は最大5GHzまでブースト可能だ。

 「Intel Xeon Platinum 8592+」と比較して、要求の厳しいAIワークロードにおいてGPUにデータを供給するために必要な処理能力が最大28%高速化されるとのことだ。

「Intel Xeon Platinum 8592+」と比較して、AIワークロードにおいてGPUにデータを供給するために必要な処理能力が最大28%高速化

 また、新しい「Zen 5」アーキテクチャーは「Zen 4」と比較して、エンタープライズおよびクラウドのIPC(クロックあたりの命令数)が最大17%向上。AIおよびHPC(高性能コンピューティング)のIPCが最大37%向上するとされている。

エンタープライズおよびクラウドのIPCが最大17%向上。AIおよびHPCのIPCが最大37%向上

 最上位の192コアCPU版「AMD EPYC 9965」は64コア版「Intel Xeon Platinum 8592+」と比較して、ビデオトランスコーディングが最大4倍高速化、科学技術計算およびHPCアプリケーションで洞察を得るまでの時間が最大3.9倍に短縮、仮想化インフラストラクチャでコアあたりのパフォーマンスが最大1.6倍になると謳われている。

ビデオトランスコーディングが最大4倍高速化

科学技術計算およびHPCアプリケーションで洞察を得るまでの時間が最大3.9倍に短縮

 なお、従来の「Intel Xeon Platinum 8280」搭載2Pサーバーを、「AMD EPYC 9965」搭載2Pサーバーに置き換えることで、推定で68%の電力削減と、約87%のサーバー削減が可能になるという。これによりスペースと電力の節約を図るか、さらなるパフォーマンス向上を実現するかを選べるわけだ。

世代が大きく異なるとは言え、1000台の旧型サーバーを131台の新型サーバーに置き換えが可能とのこと

 「AMD EPYC 9005シリーズ」は全ラインナップが10月10日から利用可能で、Cisco、Dell、Hewlett Packard Enterprise、Lenovo、Supermicroなどから販売されるとのこと。価格は8コア版「AMD EPYC 9015」が527ドル(日本円で7万8000円前後)、192コア版「AMD EPYC 9965」が1万4813ドル(日本円で220万3500円前後)だ。

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