ChatGPTの公式Xアカウントが自己紹介文を「平凡だが、無能ではない大学院生(mediocre, but not incompetent, graduate student)」に変更していたことがわかった。これは、OpenAIが定義するAGI(人工汎用知能)のレベル2、いわゆる「推論者(Reasoners)」の実現に向けた進展を暗示しているものと指摘されている。
AGIレベル2の「推論者」は、博士レベルの問題解決能力を持ち、複雑な推論や高度な数学問題を解けるAIを指す。「無能ではない大学院生」という表現は、このレベルの能力を比喩的に表現したものと解釈できる。
OpenAIが9月12日に発表した最新モデル「o1」は、物理学、化学、生物学の難しいタスクで博士課程の学生と同等のパフォーマンスを示し、国際数学オリンピック予選試験でも83%という高いスコアを獲得した。これはAGIレベル2の「推論者」が持つべき能力と合致している。
加えて、「無能ではない」という表現は、AIの能力が人間レベルに近づいているだけでなく、場合によっては超えている可能性を示唆している。AGIレベル2のAIは、ユーザーが複雑なプロンプトを工夫する必要なく、簡単な質問でも適切な回答を返すことができるとされている。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは2030年代までのAGI実現の可能性を示唆している。この小さな変更が持つ意味は小さくない。