Windows Info 第452回
Windows 11 Ver.24H2が登場 Copilot+ PCとそうでないPCで実質Windowsが2つに分かれる
2024年10月06日 10時00分更新
ウワサの「リコール」のほか、Windows検索も強化
Windows 11 Ver.24H2に搭載されるCopilot+ PC用の機能としては、数え方にもよるが、
・リコール
・クリックして実行
・Windows検索の強化
・Windowsスタジオ効果
・超解像処理、画像生成とリスタイル(フォトアプリ)
・生成塗りつぶしと消去(ペイントアプリ)
・ライブキャプションと自動翻訳
の7つがある。このうち「リコール」と「クリックして実行」はプレビュー、「ライブキャプションと自動翻訳」は44言語から英語への翻訳のみになる。
「リコール」は、デスクトップのスクリーンキャプチャから、対象や作業内容を判断し、ユーザーがデスクトップ上で見たものを、検索可能にするもの。
「Windows検索」も、「BBQパーティ」のようなテキストから画像検索を可能にする。AIで画像の「要約」や「説明」を付けるわけだ。ローカル推論であるため、画像ファイルをクラウドに送信することなく、短時間で多数の処理が可能になる。
「クリックして実行」は、AIを使ってデスクトップ上で実行されているアプリケーションを認識、適切な作業(クイックアクション)を右クリックメニューから提案するもの。いまのところイメージやテキストに関するクイックアクションしか想定していないようだが、従来とはまったく異なるWindowsの操作方法である。
非Copilot+ PCにおいても、システムトレイの改良や
sudoの搭載などいろいろな機能が際割っている
さて、Windows 11 Ver.24H2には、NPUを必要としない新機能もある。主なものとしては、
・システムトレイ&タスクバーの改良
・エクスプローラーの改良
・スマート電源管理
・Wi-Fi関連の強化(QRコード共有など)
・音声Clarity対応
・Sudo
・その他の変更と機能強化(設定ページなど)
などだ。
Windows 11のアップデートに連動して、Microsoftストア経由で配布されている標準アプリケーション(Windowsターミナル、フォトアプリなど)やコンポーネント(WSLやWindowsサンドボックスなど)もアップデートされる。
これらの変更点を含めると、新機能・改良点は少ないというわけではない。ただし、Windows 11では、定期的に新機能が導入・改良されていくことを考えると、機能によっては実用的と感じるまでに時間がかかるものもあるかもしれない。
ローカル推論に対応しないプロセッサで動作しているWindows 11は、マウスとキーボードで操作する現在の延長線上の機能しか利用できない。ただ、PCを「道具」として考えた場合、必ずしも「自動化された」AIによる機能だけが有効というわけでもない。
従来型のPCはそのままで使い続けることが可能であり、ユーザーが必要とする作業が変わるわけでもない。しかし、ローカル推論は、いずれコンピュータの使い方そのもの、そしてアプリケーションの在り方を変えることになるだろう。

この連載の記事
-
第508回
PC
Scalable Vector Graphics(SVG)そもそも何なのか? -
第507回
PC
Windows 11の「開発者モード」とは何か? -
第506回
PC
Windows 11は早くも来秋登場の26H2プレビューの準備が始まる -
第505回
PC
結構変化しているWindows 11のエクスプローラーの基本設定を見直す -
第504回
PC
新しいOutlookとOutlook Classic、そろそろ古いOutlookとExchangeの組み合わせは引退の頃合いか -
第503回
PC
機能が増えたこともあり、寄せ集めから統合化に進むWindowsの便利ツール「PowerToys」 -
第502回
PC
Windows 11でBluetoothのオーディオ新規格「Bluetooth LE Audio」を試す -
第501回
PC
Windows 11 Ver.25H2での変更点、新機能を整理する -
第500回
PC
Windows 11 Ver.25H2が完成した -
第499回
PC
Windowsでの致命的だが回復可能なエラーに備える手段を2つ紹介 -
第498回
PC
Windows Terminalの安定版V1.23が公開 設定UIが改良される - この連載の一覧へ












