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松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第42回

課長、部長、社長……など、順番に承認を得ていく作業を自動化する方法

Power Automateで複数人の承認(多段階承認)ワークフローを簡単作成しよう

2024年10月08日 08時00分更新

文● 松本典子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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2-4. アクションの設定:それぞれに適応する(Apply to each)

 「連続した承認」では複数の承認者に対して承認を求めるため、その結果も複数になります。ここで「それぞれに適応する(Apply to each)」アクションを利用し、「2-2. アクションの設定:変数の設定」で作成した配列変数「承認結果」にそれぞれの値を格納します。

「コントロール」コネクタを選択

 「それぞれに適応する」アクションは「コントロール」コネクタに含まれます。まず、タブの「組み込み」をクリックし「コントロール」コネクタを選択します。

一覧から「それぞれに適応する」アクションを選択

 アクション一覧の「それぞれに適応する」をクリックします。設定内容は次のとおりです。

「Apply to each(それぞれに適応する)」アクションの設定

 (1):「開始して承認を待機」の動的なコンテンツ「回答数」を入力

 次に「Apply to each」枠内の「アクションの追加」をクリックし、「変数」コネクタを追加して、そのアクション一覧から「変数の値を増やす」をクリックします。

 ここでは「2-2. アクションの設定:変数の設定」で用意した2つの変数のうち、まず「承認順」変数のカウントを「1」増やします(初期値は「0」なので、1、2、3……と増えていきます)。

 (2)名前:値を増やす対象の変数「承認順」を選択
 (3)値:増やす値「1」を入力
 (4)コネクタ名:操作対象の変数を間違えないよう「承認順」と追記

 もう一度「アクションの追加」をクリックし、「変数」コネクタを追加して、今度はアクション一覧から「配列変数に追加」をクリックします。

配列変数に追加

 ここでは、もうひとつの変数である配列変数「承認結果」に、承認順、承認者名、承認時のコメントを格納します。

 (1)名前:格納対象とする配列変数「承認結果」を選択
 (2)値:動的なコンテンツを適宜使いながら、格納する情報を列記します。この値はのちほどメール本文にそのまま使うので、改行の「< br >」を入れるなどして成形しています。
 (3)コネクタ名:操作対象の変数を間違えないよう「承認結果」と追記

 以上で「それぞれに適応する(Apply to each)」のアクションは終わりです。次のアクションからは再び、Apply to eachの枠外に追加していきます。

2-5. アクションの設定:作成

 送信するメールの本文で使えるように、配列変数「承認結果」に格納された複数の値を取り出し、文字列として

 「組み込み」タブをクリックして「データ操作」コネクタを選択します。アクション一覧から「作成」アクションをクリックします。

「作成」アクションの設定

 「作成」アクションの「入力」には、「式」として以下の内容をコピー&ペーストします。複数の文字列をつなげるJoin関数を使って、配列変数「承認結果」に格納された複数の値を読みやすい形式にまとめています。

join(variables('承認結果'),'<br>')

2-6. アクションの設定:メールの送信 (V2)

 最後に、承認結果とコメントをまとめた通知メールを報告書の申請者に送信するアクションを追加します。

 検索窓に「Outlook」と入力して「Office 365 Outlook」コネクタをクリックします。アクション一覧から「メールの送信 (V2)」アクションを選択します。

「メールの送信 (V2)」アクションの設定

 (1)宛先:「応答の詳細を取得する」の動的なコンテンツ「Responders' Email」を選択
 (2)件名:分かりやすいメールの件名を入力。今回は動的なコンテンツ「提出日」を組み込みました
 (3)本文:承認者全員分の承認結果を分かりやすくまとめます。今回は、動的なコンテンツを使って上図のようにしました。

 (3)本文の「【承認者のコメント】」部分には、「2-5. アクションの設定:作成」で成形した「作成」の動的なコンテンツ「出力」を組み込んでいます。これにより、承認者の順番、承認者名、コメントが列記される形になります。

 以上でフローが完成しました。最後は忘れずに、フローに名前を付けて「保存」します(筆者は「多段階承認からメール送信」というフロー名にしました)。

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