GIGA2期向け学習者用端末、周辺サービスも拡充し、第1期を超える200万台の提供を目指す
机から落ちづらい、鉛筆が刺さらない NECが“学校利用を突き詰めた”「Chromebook Y4」
2024年10月04日 13時00分更新
NECは、2024年10月3日、GIGAスクール構想第2期に向けた学習者用端末の新モデル「NEC Chromebook Y4」を発表した。
同社はGIGAスクール構想第1期において、約160万台の学習者用端末を出荷。続く第2期向けに提供するのは、性能向上だけではなく、第1期で培った経験をもとに“教育現場での利用を突き詰めた”後続機だ。
NECのスマートデバイス統括部 上席プロフェッショナルである加藤賢一郎氏は、「GIGAスクール第1期では、一人一台の学習端末を導入して、使用環境を整えることが最優先だった。対して第2期では環境が既に整い、既存端末の入れ替えが検討の中心。生徒の学びを止めないスムーズな入替え、学習状況の見える化と利活用が重要になってくる」と説明する。
第1期の教訓を踏まえ、設計から見直された「安全・安心・壊れにくい」PC
NEC Chromebook Y4のコンセプトは、「安全・安心・壊れにくい」だ。従来モデルと同様、360度回転するコンバーチブルデザインを採用。CPUはIntel Celeron N4500からIntel N100に、メモリはLPDDR4X(4GB)からLPDDR5(4GB)に、通信機能はWi-Fi 6からWi-Fi 6Eにと、従来モデルより基本性能を向上させた。加えて、第1期の教訓を踏まえて、設計を一から見直し、強化を図ったのが「安全性」と「堅牢性・耐久性」の部分だ。
「安全性」の強化では、液晶とキーボードを繋ぐヒンジに配したケーブルに対し、開閉によるダメージリスクを軽減する構造を採用。また、サブボードをマザーボードからの電源供給を不要とする回路に変更して、すべての電源供給ケーブルに保護回路を追加した。これらは、故障や発煙・発火の危険性を低減する改善だ。
USB Type-Cなどの開口部に異物を差し込まれるのを防ぐ改良も施した。「(第1期では)開口部に鉛筆などを指してしまう事故が多かった」と加藤氏。開口部は最低限の数にして、右利きの生徒が多いことを考慮して左側面に集約。机上の鉛筆を滑らせてしまっても開口部には入らない高さに設計した。
続いて「堅牢性・耐久性」の強化だ。まず落下による破損対策として、端末外周に、ゴムのような弾力性とプラスチックのような強さを持つ「TPU」によるカバーを一体成型で採用。さらに机から落ちづらいよう、ゴム足の数を増やして、接地面積を拡大した。ゴム足は追加購入による交換も可能だ。加藤氏は、「第1期の修理実績を分析すると、1位がトップカバー(43%)、2位が液晶パネル(24%)。合わせると6割が落下に起因する故障」だったと強調する。
その他にも、キートップ外れや隙間への異物挟み込みを抑制できるようキーボードを改善、端末底面のねじへ脱落防止リングを追加している。バッテリーに関しても、技術者が専門の工具を使わないと交換できなかった構造から、内部基板をカバーでブロックしたセパレート構造に変更し、現場や販売店でも交換できるようになっている。