『2』とあるけれども前作やシリーズをプレイしていなくても問題なく遊べる
静かな恐怖がさらなる深みを増してよみがえる――リメイク版『サイレントヒル 2』プレイレビュー
さまざまな動きを見せるクリーチャーたち
ジェイムスの探索を邪魔するのは、街や建物内に徘徊するクリーチャーたち。まるで死体袋から足が伸びているようなライングフィギュア、下半身が上下でくっついているマネキン、頭部が膨れ上がったバブルヘッドナースなど、不気味かつ個性的な面々がそろっている。
マップ上ではクリーチャーが近くにいるとラジオのノイズ音でその存在を確認可能。また、クリーチャーは攻撃して倒しても、トドメを刺さないと復活してしまうので注意が必要だ。倒れた敵に血だまりができているかどうかで、トドメを刺したかは確認できる。
さらに、本作ではクリーチャーはただ襲ってくるだけでなく、さまざまな独自の行動を見せるようになったのもポイント。マネキンならオブジェクトのように動かずにジェイムスが背中を見せたら襲い掛かってきたり、バブルヘッドナースならこちらの打撃攻撃を手で防いだり。より個性が出るようになっている。
敵の反応が多彩になったことにあわせて、ジェイムスにドッジ(回避)アクションが追加されている。完全におまかせというわけにはいかないが、回避性能は高めなので、敵が何かしてこようとしたらまずは回避をしよう。
なお、クリーチャーはジェイムスの懐中電灯の灯りや足音に反応して攻撃してくる。灯りを消して動かずにいればやり過ごせることがある点は忘れずに。
戦闘の難易度も変更可能。ノーマルなら5~6発攻撃を加えないと倒せない敵も、イージーなら2~3発で倒せるといったように大分戦いやすくなる。
戦闘もパズルも難易度選択はプレイ中でもできるので、自分にあったものを選ぼう。
ホラーゲームだけれどもホラーゲームが苦手な人にも遊んでほしい
オリジナル版の『サイレントヒル 2』は、ストーリーが高く評価されているタイトル。リメイク版は、基本のストーリーはそのままにゲーム部分の強化が図られている。
プレイをすれば、心に何かが残ると思うので、まだ遊んだことの無い人はぜひとも触れてほしい。
逆に過去作をプレイしたことのある人は、本作ではカメラ視点がジェイムスの肩越しからのものになり、よりプレイヤー=ジェイムスと感じられるようになっている。
クリーチャーのアクションにも手が加えられて遊びがいのある内容になっているので、『サイレントヒル 2』のゲーム体験がさらに深まるはず。オリジナル版の経験者は、ぜひプレイすることをおすすめしたい。
現代風に進化し、遊びやすさややり応えを両立させた本作。ただ、個人的に気になった点も。それは、セーブデータの数。オート枠で3つ、マニュアル枠で10と、全部で13枠分しかなかったこと。
イベントシーンを見返したりしたい自分にとっては、この数はちょっと少ないかな、と。逆を言えば、それだけ見返したい、いいシーンが本作にはたくさんあるというわけだが。
あと、アイテムを見つけたとき、フチだけの◯マークはアイテムがあることを表し、◯マーク全体が白色になったらそのアイテムを取れたり、何らかのリアクションができるようになったりする。
この判定が意外に難しくて、白くするためにアイテムの前でカメラを動かしたり、ジェイムスを前後に移動させてみたりと、調整することがしばしばあった。ここの判定は、もうちょっとゆるくしてもいいのではと思った。
この2点は残念に思ったけれども、それ以外はとくに遊びにくいと感じることなくプレイできた。
なお、PS5版の本作は、ラジオのノイズ音がコントローラーから聞こえたり、雷が鳴っているのにあわせてコントローラーが振動したり、要所要所でDual Senseの機能が使われている。
プレイの邪魔にならず、雰囲気を盛り上げるのに一役買っているので、PS5ユーザーはぜひ体験してほしい。
【ゲーム情報】
タイトル:SILENT HILL 2
ジャンル:サイコロジカルホラー
販売:KONAMI
開発:Bloober Team
プラットフォーム:PlayStation 5/PC(Steam)
※パッケージ版はPlayStation 5のみ。
発売日:2024年10月8日
※デラックスエディションの予約購入特典として10月6日からプレイ可。
価格:
スタンダードエディション:8580円(パッケージ版/ダウンロード版)
デラックスエディション:9790円(ダウンロード版)
CERO:C(15才以上対象)
©Konami Digital Entertainment
※映像・画像は開発中のものです。
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