絶対行きたい! この街のあの名所 第121回

街全体が秋色に染まる金沢市で庭園や石垣と紅葉のコラボを満喫

文●越智龍二 イラスト●サタケシュンスケ

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 9月1日から北陸応援割「いしかわ応援旅行割」が再開し、多くの観光客が訪れている石川県金沢市。江戸時代には加賀百万石の城下町として栄えた街は、戦時に空襲を受けることもなく、今も栄華を誇った当時の趣を感じられます。一方で“森の都”と呼ばれるほど緑豊かな市内では、秋になると街のあちこちで紅葉を楽しむことができます。

 例年11月上旬ごろ、金沢市役所前から続くアメリカ楓の並木道が見ごろを迎えるのを皮切りに、県立美術館がある本多の森、美術の小径など、街中のイチョウやケヤキが色づき始めます。また、西田家庭園 玉泉園、武家屋敷跡 野村家、尾山神社神苑など、市内に数多く点在する日本庭園と紅葉のコラボも見もの。今回は、そんな紅葉スポットぞろいの金沢市の中でも一番の絶景スポットと言える「兼六園」と「金沢城公園」(写真)の紅葉をご紹介します。

約1か月間に渡って紅葉を楽しめる日本を代表する名園

 日本三名園の一つに数えられる、17世紀中期に造られた池泉回遊式庭園の「兼六園」。11月1日(金)から冬の風物詩とも言える雪吊り作業が始まりますが、ちょうどその頃から園内が色づき始めます。イロハモミジをはじめ、ニシキギ、サクラ、ドウダンツツジ、イチョウなどが例年11月上旬から赤や黄の色をつけ、11月下旬までの約1か月間に渡って紅葉を楽しむことができます。中でもおすすめの絶景スポットは、別名“紅葉山”とも呼ばれる山崎山周辺。落葉樹に覆われた山全体が紅葉で埋め尽くされ、落ち葉のじゅうたんもキレイです。そのほか、徽軫灯籠や瓢池、翠滝などのモミジも見事。10月4日(金)~12月7日(土)の金曜・土曜、および10月13日(日・祝)、11月3日(日・祝)には、兼六園が夜間無料開放される「金沢城・兼六園ライトアップ 四季物語~秋の段~」も行われます。

兼六園

DATA
住所:石川県金沢市兼六町1
電話:076-234-3800
https://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/japanese/top.html

アートな石垣と色づくサクラやモミジが秋の競演

 その兼六園に隣接する「金沢城公園」では、この時期だけの石垣と紅葉のコラボが楽しめます。五十間長屋や菱櫓、玉泉院丸庭園など、見どころの多い公園ですが、多種多様な石垣が見られることでも有名。場所に応じた特殊な技術やデザインが工夫されたことに加え、何度も修復を繰り返したことで、いろんな種類や形の石があり、“石垣の博物館”とも呼ばれています。その石垣を背景に、例年11月上旬から12月上旬にかけて、サクラやモミジの紅葉を見ることができます。紅葉の絶景ポイントは、玉泉院丸庭園やいもり坂、鶴の丸広場、三十間長屋周辺、本丸園地など。玉泉院丸庭園から色紙短冊積石垣や三十間長屋辺りを見上げれば美しい紅葉が見られるほか、周辺より色づきが遅い本丸園地は落葉樹で色鮮やかに装飾されます。イベント時に加え、公園外周の石垣などは毎日ライトアップを実施。

金沢城公園

DATA
住所:石川県金沢市丸の内1-1
電話:076-234-3800
https://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/japanese/top.html

 11月6日(水)からカニ漁が解禁となる金沢市。ズワイガニの雄を加能ガニ、雌を香箱ガニと呼ぶ地元では、名物のお寿司やおでんでも旬のカニを楽しめるようになります。市内で紅葉を満喫したあとは、おいしいカニ料理も味わって、秋色に染まる金沢の魅力を存分に堪能してください。

※紅葉の時期は例年のもの。詳しくは、お出かけ前にご確認ください。

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