生成AIブームで加熱するデータセンター業界。AirTrunkが北米の投資会社ブラックストーンに買収された(関連記事:日本でもデータセンターを手掛ける豪AirTrunkが買収 投資会社ブラックストーンが240億豪ドルで)。買収金額は2.3兆円を超えるのに、なぜかIT業界ではあまり話題にならない。やはりどこまで投資や不動産に対するイメージなのだろうか。改めて説明しておくと、AirTrunkはオーストラリアの会社で、自国はもちろん、シンガポール、香港、マレーシア、日本でもクラウド事業者向けのデータセンターを運営している。
私は投資家ではないが、アジアのエクイニクスとして名乗りを上げるデータセンター事業者が増える中、AirTrunkはかなり有望だと思う。なにがいいって、出身がオーストラリアという点。オーストラリアはグアムを経由して日本や北米と海底ケーブルがつながっており、グーグルとの共同プロジェクトで初のアフリカとオーストラリア間の海底ケーブルも予定されている。電力や敷地のキャパで限界を迎えつつあるシンガポールに変わり、南半球の通信のハブになりそう。そんなオーストラリアとAPACに複数データセンターを持ってるAirTrunkに未来しか見えない。創業からたった9年で、2.3兆円超えってすごい。
文:大谷イビサ
ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。