屋外版AIエッジゲートウェイAX21の販売開始のお知らせ
アムニモ
アムニモ株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:小嶋修、以下アムニモ)は、発熱が少ない低消費電力AIアクセラレーターを搭載し、屋外においてエッジAIコンピューティングを実現するために最適な機器「屋外版AIエッジゲートウェイAX21」を2024年9月12日から販売を開始します。本製品は、屋外に設置することが可能な耐環境性能を有し、屋外において監視カメラで撮影した映像に対してエッジAI解析を行う業務システムを実現する装置です。
図1:屋外版AIエッジゲートウェイAX21の外観
近年、あらゆる業種・業界の企業や組織において、AIやディープラーニングを活用した取り組みが始まってきています。AIやディープラーニングの普及が進むにつれ、エッジデバイス内でAI処理を行うエッジAIが大きく注目されています。
しかし現在市場に普及しているエッジAI処理装置には、搭載されているAIアクセラレーターの発熱が大きいことから、屋外において安定した動作をすることが難しいという課題があります。アムニモが開発を開始した「屋外版AIエッジゲートウェイAX21」は、ルネサスエレクトロニクス株式会社が開発したAIアクセラレーター搭載マイクロプロセッサであるRZ/V2MAを搭載しており、低消費電力で発熱量が少ないAIアクセラレーターの利用により、屋外に設置した場合においても安定した動作で稼働することが期待できます。
図2:屋外版AIエッジゲートウェイAX21を用いたシステム構成例
屋外版AIエッジゲートウェイAX21は、防水ボックスを外装としていることによりIP65の防塵防水性能を具備しており[LP(1] 、さらにSPD[LP(2] (サージ保護デバイス)による誘導雷対策や基板のコーティングによる結露対策など、雨風や直射日光にさらされる屋外に設置して、長期的な運用を可能とする耐環境性能を実現しています。また、AX21はPoEによる給電機能を実装しており、監視カメラに給電してどう支せることが可能です。またカメラで撮影した映像を処理することが可能なVMS(Video Management System)のソフトウェアをプレインストールしており、大容量のSSDにカメラで撮影した映像を録画することが可能です。これにより、AX21を用いてAIと映像を組み合わせたシステムを容易に実現することが可能になります。
【AX21の機能について】
1.耐環境性能について
- 防水ボックスを外装としており、IP65の防水防塵性能を実現
- 誘導雷対策としてSPDを搭載
- -20~60℃の動作温度を保証しており、直射日光のもとでの利用も可能
- 瞬停対策機能を実装し、短期間の外部電源遮断であればUbuntuやAIアクセラレーター上のプロセスは継続動作が可能
2.カメラ連携・映像処理機能について
- AIアクセラレーター『DRP-AI』にて高速なAI処理を低消費電力で実行可能
- Arm Cortex-A53で動作するUbuntu 20.04のOS上に、AI処理を制御する独自アプリを開発可能
- 高機能なVMS(ビデオマネジメントシステム)であるNetwork Optix社製のNxWitnessをプレインストール
- アムニモが提供するクラウド映像サービスである「統合ビデオ管理システム」と連携可能
- 4ポートのPoE給電(IEEE802.3at準拠。合計60Wの出力)
- 最大2TB(標準は512GB)のSSDを搭載可能で、カメラで撮影した映像の録画が可能(2TBのSSDを用いて、フルHDで30FPSの映像をH.264により1.5Mbpsで記録した場合、約100日分の映像を録画することが可能。)
3.通信および周辺機器接続機能について
- 国内の携帯電話事業者各社との接続性が確保されたLTE通信機能を実装
- 複数SIMカードを搭載しネットワーク障害時には自動切り替えが可能
- DIOポートとして、4つのDIポートと2つのDOポートを実装し、外部機器からのアラートの取込みや現地での警報出力が可能
- USBおよびRS485(半二重)のポートを実装し、現地機器との接続が可能
アムニモ株式会社Webサイトにおける本製品の紹介ページ
【AX21で動作するAIアプリケーションの開発について】
本機のCPU/AIアクセラレーターやOSの仕様は販売中の「AIエッジゲートウェイAX11」と全く同一であり、AX11で動作するアプリケーションはそのままAX21で動作させることが可能です。
AIエッジゲートウェイAX11や屋外版AIエッジゲートウェイAX21で動作するAIアプリケーションは、AIモデルをONNX形式で開発し独自のコンバーターで変換することにより、実機で動作することが可能になります。またAI処理を行なう映像の取り込みやAIモデルによる出力の後処理の部分のプログラムは、Ubuntu上で動作するアプリケーションにて実行されます。
AX11やAX21で動作するAIアプリケーションの開発を希望する場合は、アムニモが運営するAIパートナープログラムにご加入していただくことにより、開発サポートが受けられます。AIパートナープログラムは、既に10社以上の企業が入会しており、いくつかのアプリケーションは実機で動作可能なレベルまで開発を進んでいます。
また、AX11やAX21に搭載されているAIアクセラレーターRZ/V2MAの開発元であるルネサスエレクトロニクス株式会社は、RZ/Vシリーズチップ上で動作するAIアプリケーションを自社で開発し、Githubにて公開※しています。これらのAIアプリケーションは、元となるAIロジックや学習に使用した映像データはライセンスフリーのものを使用しており、AIアプリケーション自体がライセンスフリーで利用できるものとなっています。これらのAIアプリケーションを実際に利用する際には、ハードウェア構成の違いを補正するためのカスタマイズは必要になりますが、わずかな開発でAX21上で動作するように改変することが可能であり、AX21を用いたAIシステムの実現を低コストで短期間に実現することに役立つものとなっています。
アムニモでは、屋外に設置が可能で、AI処理による発熱が少ないことから高い信頼性で動作する屋外版AIエッジゲートウェイAX21を製品化することにより、エッジAIをより多くの場所で実現できることを目指します。
※Githubにて公開されているRZ/Vシリーズ用のAIアプリケーションは以下のURLにて掲示されています。
https://renesas-rz.github.io/rzv_ai_sdk/latest/
【AX21を詳しく知りたい方に】
アムニモは、2024年10月10日(木)15:00~16:00にオンラインセミナーを実施して、AIに関する戦略やエッジAIデバイスおよびAIアプリケーションの紹介を行ないます。その中で、今回販売開始となった屋外版AIエッジゲートウェイAX21の製品紹介も主要なアジェンダの一つとして説明いまします。
オンラインセミナーの登録は以下のサイトから実施できますので、興味がある方はぜひともご参加ください。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_lwKJdYdKTpmTW78_DL7r7A
またアムニモは、10月23日(水)~25日(金)に幕張メッセで開催される『Japan IT Week秋』において、本製品を展示する予定です。『Japan IT Week秋』ではAX21上でサーマルカメラで撮影した映像に対してAI処理を行ない、人物の侵入を検知するアプリケーションのデモを行なう予定です。屋外における映像解析は、夜間において解析可能な映像が得られにくいことが現在の課題となっていますが、屋外版AIエッジゲートウェイAX21とサーマルカメラの組み合わせでの利用により大きく改善されることが期待できます。
●本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
アムニモ株式会社 広報(担当:和田)
〒180-8750 東京都武蔵野市中町2-9-32
TEL:050-3160-0300
E-mail:info@amnimo.com