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スピーディー末岡のドライビングプレジャー! 第21回

公道でDRSなんて反則!? ポルシェ「911 GT3 RS」は街中でも臨戦態勢の猛獣だった

2024年09月08日 12時00分更新

文● スピーディー末岡 モデル●寺坂ユミ(@129Ym_afilia

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地上の戦闘機を平和な街中で走らせる

 筆者はサーキット走行はしませんので、今回お借りした911 GT3 RSでは、主に街中と首都高を走りました。

 まず、筆者の近所は非常に路面が荒れているので、最低地上高100mmはなかなか気を遣いました。フロントアクスルリフトシステム(フロントの車高を40mm上げてくれる)があるので、ガソリンスタンドやコンビニなどに入るときは安心なのですが、30km/hで自動的に元に戻るので、一般道は慎重に走りました。

 ATなのでアクセルを踏めば走ってくれるワケですが、走行モードをノーマルにしていても低速トルクが微妙でかなりゆっくりスタートします。踏み込んでもいいのですが、かなり鋭い加速をするので、街中ではそんなことはできません。また、かなり強いLSDが装備されているせいか、駐車場から出るときなど、低速でハンドル切って曲がると「パキパキガタガタ」と振動と異音が発生し、ちょっとビビります。

 横幅が1900mmなので(ミラー含めると2000mm超え)、それなりに大きいですが、裏道などに入らなければ問題ありません。速度が乗ってくれば一般道も軽やかに走ります。タイヤは前275/35ZR20、後335/30ZR21というサイズなので、千葉県の道にありがちなワダチにハンドルをよく取られるので、そのたびに背中に冷や汗をかきました。

市販車でDRSが付いてるとかどうかしてる!

 高速道路はまず湾岸線から。水を得た魚のようにあっという間に制限速度に到達。ディスプレーを見ると「DRS準備完了」のような表示が出ました。ん? DRSってあのF1で使われているDRS(ドラッグリダクションシステム)? そう、911 GT3 RSには市販車で初めてDRSが搭載されているのです。

特定の条件下でDRSが使用可能になります

 通常、リアウィングはダウンフォースを得るために斜めになっていますが、このDRSが作動するとフラット(地面に対して平行)になるのです。するとダウンフォースがなくなるかわりに、加速が良くなるのです。リアウィングはカッコイイからつけているわけではなく、空気抵抗で後輪を地面に押しつけることによってタイヤのグリップとトラクションを上げているのです。要するに後輪に重りが乗った状態にしているのですが、それがなくなるんですから、加速力も良くなるわけです。残念ながらDRSを試す機会はありませんでしたが……。

 普通に街乗りしていてDRSを作動させる場面はほとんどないと思いますが、こうしてF1と同じ技術が使われているなんて、クルマ好きならテンションが上がらないわけがありません。もちろん、サーキット走行を楽しむ人だったら、ここぞというときにDRSを使って、F1気分も味わえるでしょう。

 このDRSだけでも「公道を走るレーシングカー」と言えます。

ステアリングのスイッチで各電子制御を細かく設定できるのですが、一般道では必要ありませんでした

ドアの取っ手はレーシングカーと同じように、バンドを引っ張るタイプ

試乗車は「ヴァイザッハパッケージ」という豪華なオプションが付いていました。ちなみにヴァイザッハとはポルシェの開発センターがあるドイツの都市です

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