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インフラ基盤が混在する現在、COOが語るハイブリッドクラウド戦略

“オンプレ回帰”のユースケースにも、HPEがGreenLakeプライベートクラウドにKVMの仮想スタック

2024年09月03日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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HPEのプライベートクラウドは、パブリッククラウドの技術と補完関係

ーー「オンプレ回帰」という言葉が出ましたが、ハイパースケーラーは相変わらず好調です。ハイブリッドクラウドの進化をどのように見ていますか?

タン氏:HPEはハードウェアのみを提供しようとしているわけではない。ハイブリッドとマルチクラウドに未来があると考えており、そこに向けたソリューションを提供する。そして我々のプライベートクラウド向けの技術は、パブリッククラウド各社が提供する技術と補完的な関係にある。

 クラウドがメインストリームで流行し始めた当初は、クラウドネイティブなワークロードだけでなく、リフト&シフトモデルでなんでもパブリッククラウドに載せていた。しかし時間の経過とともに、一部のワークロードはリソースの消費が激しく、それは効率的ではないということに気がついた。一般的に、5年以上使うのであれば借りるより買った方が安い。

 このように、ユーザーは「パブリッククラウドに適したワークロードは何か」「オンプレミスの方が適しているワークロードはどれか」などを考え始めた。

 また、パブリッククラウドを採用する理由として、最新のクラウドサービスにアクセスしたいというものもあった。しかし現在では、オンプレミスやプライベートクラウドの中でも、同じように最新の機能を提供できるケースが多くなっている。

 ユーザーがクラウドネイティブ(の技術)を導入するということは、アプリケーションの移植性(ポータビリティ)が高くなることを意味する。アプリケーションの移植性が高くなれば、オンプレミスに戻すことも容易になる。

ーーソブリンクラウドの関心が高まっていますが、これはHPEのプライベートクラウド戦略にどのような影響を与えていますか?

タン氏:HPEが提供するプライベートクラウドは定義上、ソブリン・クラウドになる。そして我々は、単にインフラがプライベートな環境であるという意味ではなく、ソブリンティを維持しながらクラウド体験を提供する。

 たとえば、ユーザーは全てをHPE GreenLake Cloudとして統一したプラットフォームで管理できる。HPE GreenLake Cloudは、切断モード、エアギャップなどの機能も備えている。基本的にGreenLakeクラウドのコピーをとり、それをユーザーのデータセンターで稼働することができるため、医療や国家安全保障など機密性の高い業界や用途だったり、接続性が不安定な遠隔地のサイトなどでも利用できる。

ーーAIのトレンドが受けるハイブリッドクラウドへの影響についても、考えを教えてください。

タン氏:HPEは、昨今の生成AIブーム以前から「AIこそ究極のハイブリッドワークロードだ」と主張してきた。

 大規模なGPUリソースを使って基盤モデルをトレーニングする企業や組織はごく少数で、今後は既存のモデルをそのまま展開したり、自社のデータでファインチューニングする企業や組織が増える。また、多くの場合でアプリケーションは分散され、モデルをエッジに配置することも増える。これが、我々が”AIは究極のハイブリッドワークロード”と主張するゆえんだ。

 AIのトレンドは間違いなく、ハイブリッドクラウドの重要性を高めることになるだろう。

ーーハイブリッドクラウド分野での今後の計画について教えてください

タン氏:現在、ユーザーの多くが業務アプリケーションごとに異なるパブリッククラウドを選択したり、レガシーとプライベートクラウドが混在している状態だ。仮想化環境が細分化されており、そこにAIが加わる。

 このようなユーザーの状況に対し、HPEはGreenLakeクラウドプラットフォーム、統合管理機能を提供する。最新の動きのひとつが、2023年に買収したOpsRampを、GreenLakeの全サービスに組み込んだことだ。OpsRampはハイブリッド、マルチクラウド、マルチベンダーに対応するSaaS型のIT運用管理技術で、インシデント管理、アラート、修復の自動化などの機能を備える。同時に、今後も単体のSaaSとしてのOpsRampの提供も継続する。

 この市場を大きくするために、ソブリンクラウド、AIなど、技術面は継続して強化する。

 このほかに重要なこととして、HPEはパートナー主導のビジネスを展開しており、MSP(マネージドサービスプロバイダ)やチャネルパートナーがプライベートクラウドを運用できるよう支援していく。そのためには、マルチテナントなどが重要になるだろう。

 また、ヘルスケア、金融などの業界に特化したソリューションや機能も展開していくがここでも、ISVなどのパートナーエコシステムが重要になるだろう。

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