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ジャイアン鈴木の「これ、欲しいです!」 第7回

令和の時代に味わうフィルム撮影

”本格派ならではの価値"を味わえる、フィルムカメラの新製品「PENTAX 17」が欲しいんです

2024年08月24日 07時00分更新

文● ジャイアン鈴木 編集●こーのス/ASCII

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■めちゃくちゃレトロな風合いの写真が撮れました

 それでは早速「PENTAX 17」で撮影した写真をご覧いただきましょう。詳しくは後述しますが、これらはカラーネガフィルム「FUJIFILM 400」で撮影した写真を現像し、データ化したものです。

「PENTAX 17」で撮影(左右)

「PENTAX 17」で撮影(左右)

「PENTAX 17」で撮影(左右)

「PENTAX 17」で撮影

 まず色味ですがなんともレトロな風合いですね。牧歌的な被写体が多かったということもありますが、令和の時代に撮影された写真とは思えません。スマホのカメラアプリにも色味を変更するフィルターがありますが、なにも手を加えずこのような風合いになっていることに、本物ならではの価値があると感じました。

 35ミリ判フィルム(36×24mm)の1コマの約半分(17×24mm)を使用するハーフサイズフォーマットのカメラということで、かなりボケた写真になるかと予想していましたが、フォーカスと露出さえ合っていれば鑑賞に堪える解像感を備えていると思います。

■使い勝手と、1枚あたりのコストは?

 使い勝手は基本的に文句なし。上面に設置されているダイヤル、レバーの操作感は良好。これらをいじりつつ撮影するのは、手間はかかりますが、なんとも楽しいです。特に設定がピタリとはまって、いい写真が撮れたときの喜びはひとしおですね。

被写体との距離を見て設定を切り替えるゾーンフォーカス

 ひとつだけ慣れるのに時間がかかったのが、ゾーンフォーカスリングに記載されているアイコン。遠距離(5.1m~∞)、中距離(2.1~5.3m)、近距離(1.4m~2.2m)、至近距離(1.0~1.4m)、クローズアップ/テーブルフォト(0.47~0.54m)、クローズアップ/マクロ(0.24~0.26m)が用意されていますが、ちょっと覚えづらいです。結局、何度も説明書で確認しつつ、撮影していました。アイコンよりも数字を書いてくれたほうが個人的にはよかったです。

ダイヤル、レバーの操作感は良好。撮影モードは「フルオート」、「標準」、「絞り開放優先」、「低速シャッター」、長時間露出ができる「バルブ」、逆光撮影向けの「日中シンクロ」、夕暮れや夜景用の「低速シンクロ」があります。露出補正ダイヤルを搭載し、ISO感度を手動で設定できます

フィルムのリーダー部(ベロ,先端)をオレンジ色のマークに合わせて、裏ブタを閉じれば、正常にフィルムを巻き上げられます。初心者に優しい仕組みです

 「PENTAX 17」をぞんぶんに楽しむのにハードルとなるのがフィルムの現像。筆者はさいたま市に住んでいますが、最寄りで現像できるのはヨドバシカメラくらい。(ほんの1~2年前にはハーフサイズフォーマットのフィルムを1時間ぐらいで現像してくれるショップが近所にありましたが、そこは残念ながら閉店してしまいました。)

 現像した写真が受け取れたのは13日後で、現像代には2480円がかかりました。フィルム代が1800円だったので、72枚の写真を撮影するために4280円を要したわけです。1枚あたり59円。そう考えるとますます、1枚1枚、大事に写真を撮りたくなりますね。

 もし「PENTAX 17」に限らずフィルムカメラの購入を予定しているのであれば、ランニングコストや現像にかかる時間を踏まえて検討することをオススメいたします。

「ハーフサイズフォーマットカメラで撮影した」と伝えて現像に出しますが、ヨドバシカメラでハーフサイズフォーマットの写真を現像できるのはコダックのみ。受け取れるのは13日後で、現像代は2480円でした

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