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2023年度、企業全体の平均有休取得率(消化率)は75.7%、月残業時間は11.6時間

やっぱり多い建設・物流業界の残業 ― 「ジョブカン勤怠管理」実績データより

2024年08月06日 11時45分更新

文● ASCII

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 バックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」(運営:DONUTS)は、2024年8月6日、クラウド型勤怠管理システム「ジョブカン勤怠管理」の実績データに基づく、2023年度(2023年4月~2024年3月)の有給休暇取得・残業時間の実態調査の結果を発表した。

 同調査によると、2023年度の年間平均有給休暇取得率(会社に付与された有給休暇の消化率)は“75.7%”だった。これを企業規模別に見ると、従業員「1~29人」以上の企業は74.9%、「30~99人」規模の企業は76.4%、「100~299人」規模の企業は78.7%、「300~999人」規模の企業は74.5%、「1000人以上」の規模の企業は69.7%。

 一方で、月平均残業時間は“11.6時間”だった。企業規模別では、従業員「1~29人」以上の企業は11.6時間、「30~99人」規模の企業は11.8時間、「100~299人」規模の企業は11.5時間、「300~999人」規模の企業は12.0時間、「1000人以上」の規模の企業は7.2時間。

 これらの結果を総合すると、従業員1000人以上の大企業が、有給取得率が低く、かつ月平均残業時間は少ないという傾向がみられる。

企業規模別:年間平均有給休暇取得率・月平均残業時間

 業種別にみると、年間平均有給休暇取得率が高かったのは「マスコミ・出版・放送」(82.3%)、「医療」(80.6%)、「レジャー・エンターテイメント」(80.4%)など。低かったのは「整備・修理」(60.9%)、「運輸・物流」(61.8%)だった。

 業種別の月平均残業時間は「介護・福祉」(6.6時間)が最短で、「医療」(7.9時間)、「金融」(9.5時間)なども短い。一方で、「建設・土木」(15.9時間)、「マスコミ・出版・放送」(16.2時間)、「運輸・物流」(18.0時間)、「整備・修理」(20.5時間)などの業界で、残業時間が長くなっている。

 いわゆる「2024年問題」として、2024年4月から物流・建築・医療業界の時間外労働の上限規制が始まっているが、やはり「建設・土木」「運輸・物流」は、残業時間が他業界に比べて長い傾向にあることが分かった。

業界別:年間平均有給休暇取得率・月平均残業時間

 同調査は、2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)のジョブカン勤怠管理における、6059社、16万4336人の打刻実績・有給休暇取得実績を集計したもの。

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