シンク・ネイチャー、ネイチャーポジティブ効果を最大化する植栽樹種選択システムの提供を開始
株式会社シンク・ネイチャー
株式会社シンク・ネイチャー(本社:沖縄県那覇市、代表取締役CEO:久保田 康裕、社長:舛田 陽介 以下「シンク・ネイチャー」)は、当社が所有する研究ノウハウと分析技術を活用し、植樹等によるネイチャーポジティブ効果を最大化する植栽樹種選択システム(以下「当システム」)を提供するサービスを開始しました。本システムでは、植栽樹木のデータベース変更やフィルタリング機能の追加といった、利用者ごとのカスタマイズも可能です。このシステムを利用し、一般に流通している苗木を適切に植栽することで、生物多様性の維持・再生に大きく寄与することができます。また、シンク・ネイチャーが提供するTN GAIN(*)サービスにおけるネイチャーポジティブ効果の時空間の見える化にもつながります。
(*) AIとビッグデータを用いた科学的アプローチによって、企業活動が自然に与えるネイチャーポジティブ効果を定量化するサービス(https://services.think-nature.jp/gain/)
1.当システムの特徴
当システムは、野生生物の空間分布や生物種の間の繋がり(食う・食われるの食物網など)の生物多様性可視化データプラットフォームが基盤になっています。宅地や不動産物件など評価したい場所において、鳥と蝶を中心に、在来生物種の生息場所の再生に最大限寄与することができる植栽樹木の組合せを最適化計算し、生物多様性の再生効果を算定できます。これまでこうした緑化事業による植栽の自然再生インパクトは、生物多様性など質的な観点から高解像度で評価することはできませんでしたが、当社が所有する生物多様性ビッグデータと分析ノウハウをアプリケーション化し、自動で、生物多様性再生を最大化する植栽樹種の最適な組み合わせ結果を出力できるようにしました。
2.生物多様性可視化技術について
シンク・ネイチャーでは、1億点以上の世界中の生物観測データを基に約30万種以上の生物の分布データを1枚1枚作成しました。それらの種分布データと様々な環境情報を統合して種ごとに種分布モデリングを行い、日本だけでなく世界を網羅した種レベルの生物多様性ビッグデータを構築しています(日本の生物多様性地図化プロジェクト: J-BMP)。また、シンク・ネイチャーでは樹木種ごとに、果実や種子、花蜜などを利用する鳥や蝶の種類を網羅的にまとめています。当システムでは、評価したい地域における半径5km以内に自然分布する種を地域在来種と判定し、鳥・蝶の種ごとの生息域を踏まえ、樹木を利用する可能性の高い種を抽出します。これら樹木の地域在来種数、呼び込める鳥・蝶の種数から、生物多様性の再生効果を数値化、可視化しています。
3.当システムの活用事例
不動産企業や住宅ハウスメーカーにおいて、一般市民である顧客が住宅を建設する際に、その建設予定地における生物多様性再生の観点から最適な樹種の組合せを確認・評価することができます。また、植栽樹種毎に呼び込める見込みがある、鳥・蝶類をシミュレーションすることができるため、一般市民の方々が楽しみながら、科学的に有効なネイチャーポジティブ活動を推進することができます。
上記の住宅ハウスメーカーにおける事例は、2024年6月より、積水ハウス株式会社と試験運用を進めている段階にあります。また、住宅ハウスメーカーだけではなく、商業施設における緑化や公園での植栽計画といった、植樹・植栽を行うすべての企業、団体の皆様にもご活用いただけるシステムなります。
システム画面イメージ
4.今後の展開
当システムは、将来的には、日本及び世界の建設業界・不動産業界向けのサービスとして提供することを皮切りに、企業のネイチャーポジティブ 活動における植樹の効果などの可視化に寄与できるシステムとして、Webサービス化することも視野に検討を進めています。
5. 会社概要
<株式会社シンク・ネイチャー>
会社名:株式会社シンク・ネイチャー
本社所在地:沖縄県那覇市久茂地2丁目2番2号 タイムスビル2F
代表者:代表取締役CEO 久保田 康裕
取締役社長 舛田 陽介
主な事業内容:自然資本ビッグデータを活用した自然の持続的利用に関する分析、評価、
ソリューションのコンサルティングや支援
ホームページ:https://think-nature.jp/