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AIは漫画家の玉手箱なのか……実録:AIで描く漫画の実際 第4回

漫画制作を爆速化! 生成AIをフル活用して時短してみた

2024年07月27日 19時00分更新

文● 野火城 編集●ASCII

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今回の全13Pの製作時間

 自分が思う現在の最速のやり方で制作してみましたが、13Pで1.5~2日かかりました。ただDALL-E3のみで終わっていいのであれば1日です。趣味の漫画ならそのクオリティで十分なので、13Pでも1日あれば十分いけます。

 同じ方法で作った中で今までの最速は23P10時間、1P20~30分です。しかしやはり、このやり方だと「いかにもAI」な漫画にしかなりません。印刷できるレベルで手描きと同様のクオリティを求めるなら、自分は今のところ1日3~5枚が限界です。

 クオリティをどこまで上げるかによって、製作時間はかなり変わります。天井はないので、ここからは個々人の拘り次第でしょう。

このAI実験の原稿製作方法は、おそらく漫画素人でもできます

 自分はかなり手で漫画を描いてきているので「経験者だからこれだけできるんだろう」と言われがちですが、ネーム以外の絵の部分はほぼ全てAIを使っているので、原稿製作に限れば、AIとクリスタを学べば誰でも同じ事が出来ると思います。加筆も破綻を直したり、キャラクターや衣装の整合性を合わせたり、表情を修正する程度しかしていません。

 画像AIを使う上で重要なのは、絵に対する「ディレクション能力」でしょう。今後画像AIが普及した場合、これを求められる事が増えてきそうです。様々なインプットで見る目を養い、適度なアウトプットで表現技法を鍛える。画像AIが台頭しても、やる事は変わらないと思います。どのような未来が来ても対応できるよう、自分自身の感性を豊かに育てていきたいです。

 そして、これはAI実験企画なので出来る限りAIを使用して漫画を制作していますが、本当に効率化を目的とするならば、全てAIを使う必要もありません。自分はこの企画をやっているのもあり、どこをAIでやると効率的で、どこをAIに任せようとすると非効率的なのかが可視化され、実用に活かす方法論が見えて来ました。

 しかし、何を効率的とするかは個々人にもよります。自分が苦手な部分はAIに任せたいが、得意な部分は自分でやった方が速い、など様々なケースがあるため、実際使ってみないとわからない事も多いでしょう。この記事が少しでもその参考になれば幸いです。

次回予告

 元々全5回予定でしたので、次回で最終回になります。

 今までの集大成として、今度は絵のクオリティを追求したいです。時間があればですが! AIの進化は早いので、来月になったら違う技術が出ていて、そちらを試している可能性もあります。AI黎明期故のライブ感も楽しんでいただければ幸いです。

 次回もお楽しみに!!

野火城

 アナログ時代から漫画を描いてきたクリエイター。漫画の補助としてAIをどう使えるか実験中。X(Twitter)で生成AIを使用した漫画「AIずきん」を公開し、3万件を超える「いいね」が集まる。

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