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「VMwareユーザーが困っている」現状、VMware管理権限やネットワーク設計など独自の強みを説明

“脱VMware”ではなく“続VMware”を、オラクルがOCI/OCVSで解決策を提案

2024年07月22日 08時30分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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基幹システムの安定運用を維持しつつ、クラウドネイティブへの移行も

 2つめの「基幹システムの安定運用」では、前述したとおりVMware環境への完全な管理権限を持つため、顧客自身がパッチやバージョンアップのタイミングを制御できる。加えて、既存の(オンプレミスでの)運用手法やツールもそのまま活用できること、本番環境と同じ構成とサイズでテスト環境を構成できることなども、安定運用を実現するうえで有益だと語る。

 「OCVSでは、オンプレミス環境に合わせたアップグレードやパッチ適用が可能だ。そのため、オンプレミス環境とのバージョン違いによってソフトウェアが動作しなくなってしまうといった問題発生のリスクを下げることができる」(近藤氏)

VMware環境に対するアップグレードやパッチの適用を「顧客のタイミングで」実行できる

 OCIがもともと備える冗長化の仕組みも、安定稼働にメリットをもたらすと説明する。OCIでは、データセンター内を3つの独立した「障害ドメイン(FD)」に分割し、VMwareクラスタは複数のFDに分散して構成されている。そのため、ユーザー自身で対策を取らなくても標準でハードウェア障害に対応する。さらに、国内に複数のリージョンを持ち、国内だけでDR(災害対策)サイト構成による高い可用性が実現できる点もメリットだと語る。

 3つめの「クラウドを最大限活用」については、前述したフラットなネットワークにVMware環境を配置し、さまざまなクラウドサービスともシームレスに接続できる点を挙げた。これにより、クラウドサービスと高速かつ安定して接続できるほか、クラウドネイティブなシステムへの拡張や移行、さらにはインターコネクト接続を提供する他社クラウド(Azure、Google Cloud)へのシステム拡張も容易だとする。

OCVSのVMware環境とクラウドサービスはフラットネットワークで接続。さらに他社クラウドとのインターコネクト接続も容易にできる

 OCVSは、世界49カ所にあるOCIのパブリックリージョンすべてで稼働する。さらに佐藤氏は「パブリックリージョンだけでなく、『Oracle Dedicated Region Cloud@Customer』や『Oracle Alloy』といった(顧客/パートナー専有リージョンの)分散クラウドでも稼働させることができる」と説明した。

 クラウド移行を支援するサービスは、移行計画フェーズを無償で支援する「Oracle Cloud Lift Services」のほか、計画から設計、構築フェーズを支援する「Oracle Consulting Services」、構築および移行フェーズ以降を支援する「Oracle Customer Success Services」を用意している。佐藤氏は「多くの移行実績をもとにナレッジを蓄積しており、パートナーとの協業も強化している」と語る。

OCVSはOCIの全パブリックリージョン、さらに顧客/パートナー専用リージョンでも利用が可能

オンプレミスVMware環境のOCVS移行事例を紹介

 OCVSの国内導入事例も多数紹介した。

 1380店舗のドラッグストアチェーンを展開するサンドラッグでは、店舗数の増加に伴ってオンプレミスVMware環境のリソーズ増強が追いつかなくなり、クラウド移行を検討していた。他社クラウドのVMwareサービスを利用する場合、OSやミドルウェアの制約から移行時に大幅なアプリケーションの再構築必要だったが、ユーザーがVMwareの管理権限を持てるOCVSを使うことで、アプリケーションの再構築なしで、短期間で移行できたという。クラウドのスケーラビリティによって、新店舗が増えても簡単にストアシステムがデプロイできるメリットも生まれているという。

サンドラッグにおけるOCVSの導入事例

 大日本印刷では、仮想サーバーと統合データベースで構成する大規模基幹システムをクラウドへ移行した。OCVSを活用して、販売管理や在庫、原価、会計など、700以上の仮想サーバーを、オンプレミスと同じアーキテクチャや管理性を維持しながらクラウドへ移行。さらに、統合データベース基盤を「Oracle Exadata Database Service」に移行して、オンプレミスよりも高い性能や可用性、データセキュリティを実現しながら、コスト最適化を図った。東京/大阪リージョンを活用したDR構成も構築している。

 日立建機では、約500のアプリケーションサーバーと約100のデータベースで構成される大規模基幹システム基盤を、オンプレミスのVMware環境からOCVSへ移行(2024年8月中に移行完了予定)。その結果、運用コストは20%削減され、同時に各種パフォーマンスは最大50%向上した。本番環境と同じサイズの検証環境をクラウドに用意したことで、短期間での移行も実現したという。

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