重要な開発者が去り、独立
Stablity AIが社内で何らかの課題を抱えているということが、さらに顕在化する動きが出てきました。Stable Diffsionの生成環境として人気が高く、Stable Diffusion公式アプリでもあった「Comfy UI」の開発者comfyanonymous氏が、Stability AIを退職してしまったことです。
Comfy UIはノードベースの生成環境として人気を獲得し、comfyanonymous氏がStability AIに採用されたことから、Stable Diffusionの環境として広く普及しています。SD3Mの公式環境としても、早い段階から準備が進められており、ローンチに合わせて対応版のアップデートがなされていました。
comfyanonymous氏は6月17日に、ComfyUIのDiscordのチャットで、ユーザーからの質問に答える形で、SD3Mのリリース過程のトラブルの一端を明らかにしました。Redditに転載されたチャットによれば、comfyanonymous氏は「2Bモデル(SD3M)は辞めてしまった研究者による失敗作だった。しかし、4Bと8Bモデル(最高品質のSD3)をリリースする代わりに2Bをリリースすることに会社トップからの強い圧力があった」と明かしています。さらに「Stablity AIをやめようと思った1つの理由は、ベストなモデルを作ろうとすることに集中していないように見えるから」とも書いています。
加えて、Stablity AIの公式の生成環境の1つだった「StableSwarmUI」の開発者のmcmonkey4eva氏もやめてしまったことが明らかになりました。Stablity AIは、ローカルPC向け環境の開発者2人をSD3Mのローンチという重要なタイミングで失ったのです。
この連載の記事
-
第87回
AI
画像生成AIの進化が早すぎる 2024年に起きたことまとめ -
第86回
AI
イラストに強すぎる画像生成AIモデル SDXL系「NoobAI-XL」の衝撃 -
第85回
AI
3DモデリングにAI革命の兆し 1枚のイラストから3Dデータが完成 -
第85回
AI
誰でもVTuber時代へ フェイシャルAI技術、続々登場 -
第84回
AI
画像生成AI「Stable Diffusion 3.5」性能はものたりないが、自由度が高いのは魅力 -
第83回
AI
リアルすぎてキモい 動画AIの進化が止まらない -
第82回
AI
もはや実写と間違えるレベル 動画生成AI「Runway」の進化がすごい -
第81回
AI
AIイラスト、こうしてゲームに使っています -
第80回
AI
ゲーム開発はAI活用が当たり前になりつつあるが、面白さを作り出すのは人間の仕事 -
第79回
AI
AIが考える“アイドル”がリアルすぎた グーグル「Imagen 3」なぜ高品質? -
第78回
AI
話題の画像生成AI「FLUX.1」 人気サービス「Midjourney」との違いは - この連載の一覧へ