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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第71回

危機的状況の画像生成AI「Stable Diffusion 3」立て直しへ

2024年07月15日 07時00分更新

文● 新清士 編集●ASCII

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重要な開発者が去り、独立

 Stablity AIが社内で何らかの課題を抱えているということが、さらに顕在化する動きが出てきました。Stable Diffsionの生成環境として人気が高く、Stable Diffusion公式アプリでもあった「Comfy UI」の開発者comfyanonymous氏が、Stability AIを退職してしまったことです。

 Comfy UIはノードベースの生成環境として人気を獲得し、comfyanonymous氏がStability AIに採用されたことから、Stable Diffusionの環境として広く普及しています。SD3Mの公式環境としても、早い段階から準備が進められており、ローンチに合わせて対応版のアップデートがなされていました。

 comfyanonymous氏は6月17日に、ComfyUIのDiscordのチャットで、ユーザーからの質問に答える形で、SD3Mのリリース過程のトラブルの一端を明らかにしました。Redditに転載されたチャットによれば、comfyanonymous氏は「2Bモデル(SD3M)は辞めてしまった研究者による失敗作だった。しかし、4Bと8Bモデル(最高品質のSD3)をリリースする代わりに2Bをリリースすることに会社トップからの強い圧力があった」と明かしています。さらに「Stablity AIをやめようと思った1つの理由は、ベストなモデルを作ろうとすることに集中していないように見えるから」とも書いています。

 加えて、Stablity AIの公式の生成環境の1つだった「StableSwarmUI」の開発者のmcmonkey4eva氏もやめてしまったことが明らかになりました。Stablity AIは、ローカルPC向け環境の開発者2人をSD3Mのローンチという重要なタイミングで失ったのです。

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