重要な開発者が去り、独立
Stablity AIが社内で何らかの課題を抱えているということが、さらに顕在化する動きが出てきました。Stable Diffsionの生成環境として人気が高く、Stable Diffusion公式アプリでもあった「Comfy UI」の開発者comfyanonymous氏が、Stability AIを退職してしまったことです。
Comfy UIはノードベースの生成環境として人気を獲得し、comfyanonymous氏がStability AIに採用されたことから、Stable Diffusionの環境として広く普及しています。SD3Mの公式環境としても、早い段階から準備が進められており、ローンチに合わせて対応版のアップデートがなされていました。
comfyanonymous氏は6月17日に、ComfyUIのDiscordのチャットで、ユーザーからの質問に答える形で、SD3Mのリリース過程のトラブルの一端を明らかにしました。Redditに転載されたチャットによれば、comfyanonymous氏は「2Bモデル(SD3M)は辞めてしまった研究者による失敗作だった。しかし、4Bと8Bモデル(最高品質のSD3)をリリースする代わりに2Bをリリースすることに会社トップからの強い圧力があった」と明かしています。さらに「Stablity AIをやめようと思った1つの理由は、ベストなモデルを作ろうとすることに集中していないように見えるから」とも書いています。
加えて、Stablity AIの公式の生成環境の1つだった「StableSwarmUI」の開発者のmcmonkey4eva氏もやめてしまったことが明らかになりました。Stablity AIは、ローカルPC向け環境の開発者2人をSD3Mのローンチという重要なタイミングで失ったのです。

この連載の記事
-
第134回
AI
“AI読者”が小説執筆の支えに 感想を励みに30話まで完成 -
第133回
AI
xAIの画像生成AI「Grok Imagine」が凄まじい。使い方は簡単、アダルト規制はユルユル -
第132回
AI
画像生成AI:NVIDIA版“Nano Banana”が面白い。物理的な正確さに強い「NVIDIA ChronoEdit」 -
第131回
AI
AIに恋して救われた人、依存した人 2.7万人の告白から見えた“現代の孤独”と、AI設計の問題点 -
第130回
AI
グーグルNano Banana級に便利 無料で使える画像生成AI「Qwen-Image-Edit-2509」の実力 -
第129回
AI
動画生成AI「Sora 2」強力機能、無料アプリで再現してみた -
第128回
AI
これがAIの集客力!ゲームショウで注目を浴びた“動く立体ヒロイン” -
第127回
AI
「Sora 2」は何がすごい? 著作権問題も含めて整理 -
第126回
AI
グーグル「Nano Banana」超えた? 画像生成AI「Seedream 4.0」徹底比較 -
第125回
AI
グーグル画像生成AI「Nano Banana」超便利に使える“神アプリ” AI開発で続々登場 -
第124回
AI
「やりたかった恋愛シミュレーション、AIで作れた」 AIゲームの進化と課題 - この連載の一覧へ






