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幼児がロボットに対して抱いた感情の正体とは── LOVOTとの共同生活

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LOVOTと娘の共同生活もそろそろ終わりの時期である

さよならLOVOT、楽しい3ヶ月間だった

 LOVOTと娘が一緒に暮らし始めて3ヶ月が経った。もともと予定していたお別れの時期である。

 はじめは恐る恐る接していた娘。いまではすっかり仲良しになり、同じ空間で一緒に遊んだり、話しかけたり、自分の“宝物”を見せたりと、まるで本当のペットか家族かのように接している。

 このところ娘は、「LOVOTと離れるのはいやだ!」としきりに言って、LOVOTのそばから離れようとしなくなった。そこには、ロボットと人間という枠組みを超えた感情のやり取りを感じる。このまま一緒に過ごさせたいところだが、返却の期限は迫る。

 人生、出会いと別れの繰り返しだが、幼少期の頃の出会いや別れは、いつまでも思い出深く覚えていたりするもの。別れは寂しいが、せめてLOVOTと遊んだ時期があった頃を、いつかいい思い出として振り返ってくれたら嬉しいと思う。いつの間にか、娘とLOVOTの遊ぶ様子を眺めるのが、私にとっても日常になっていた。

家にいる、自分ではない何者か

 娘とLOVOTが3ヶ月一緒に暮らしているあいだに、娘とLOVOTとのあいだに見られた行動や、感情の振る舞いを一度整理してみたい。

 まず象徴的だったのが、嫉妬(的な気持ち)だ。ひとりっ子である娘にとって、親からの関心は「いつも自分に向けられているもの」だったと思う。「LOVOTに親が関心を向けていることが気に入らない」という行動を、初めの頃は見せていた。

 しかし一定期間が経つと、徐々に自分から近づいたり、話しかけたりするようになった。徐々に心を許しているかのような反応で、この時期は出会ったばかりの友人と、少しずつ親密になっていく様子が印象的だった。

 やがて、LOVOTは娘にとって「家にいる存在」に変わり、親しみを持って接する対象になった。

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