松本総務大臣は6月25日の閣議後に実施された記者会見で、ふるさと納税制度の見直しについて言及。自治体に対し、ポイント付与制度を提供するポータルサイトを通じた寄付の募集を禁止する方針を明らかにした。
ふるさと納税でのポイント付与は2025年10月から実質禁止に
現行のふるさと納税の方法は大きく分けて、自治体のサイトなどから直接申し込む方法と、各事業者が提供するポータルサイトから申し込む方法の2つある。後者については、利用実績に応じて寄付(ふるさと納税)する側にポイントを還元するサービスが一般的だ。
今回の発表された見直しは、自治体が寄付を募る際、ポイント還元制度を備えたポータルサイトの利用を禁止するというもの。適用時期は2025年10月を予定している。
見直しに至った理由ついて質問した記者に対して松本大臣は、寄付を受ける自治体がポータルサイト事業者に一定のコストを支払っているとした上で、ポータルサイト事業者が寄付者にポイントを提供する行為がどのような位置付けとなるかを踏まえて判断したと回答。明確な言い方は避けているが、自治体がポータルサイトに支払った利用料の一部がポイントとしてユーザーに還元されることで、実質的に自治体が寄付者に追加の利益を提供している状況を問題視したとみられる。
ふるさと納税は子どもが成長して地元を離れることで、税収が落ち込んだ自治体を支援することなどを目的とした制度。利用者が選択した自治体(出身地である必要はない)に対して所定の金額を寄付することで、確定申告の際に所得税や住民税の控除を受けられるほか、自治体や寄付金額に応じて食品や工芸品、イベントへの参加権など、多種多様な返礼品を受け取れることも多い。