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生成AIによるSQL文や新規アプリケーションの作成支援、簡単に組み込める会話型インタフェースも

オラクル、ローコード基盤「Oracle APEX」に生成AIの開発支援機能追加

2024年06月18日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 米オラクルは2024年6月18日、ローコード開発プラットフォーム「Oracle APEX」の最新リリース(APEX 24.1)において、生成AIがアプリケーション開発を支援する「APEX AI Assistant」などの新機能を追加したと発表した。

 AIによる機能強化によって、自然言語でプロンプトを入力して新規アプリケーションを作成したり、SQL文を自動生成したりすることができる。また、既存のアプリケーションに、生成AIの会話型インタフェースを簡単に組み込めるチャットウィジェットも新たに用意された。

最新リリース「Oracle APEX 24.1」の新機能。AI Assistantのほかにも、AIベクトル検索やJSON/リレーショナルのDuality Biewへの対応などもある

「APEX AI Assistant」を使い、新規アプリケーションの作成を指示している画面

 Oracle APEXは、「Oracle Database」や「Oracle Autonomous Database」などのクラウドサービス利用者が追加コストなしで利用できる、エンタープライズアプリケーション向けのローコード開発プラットフォーム(APEXは“APplication EXpress”の略)。

 オラクルでは、APEXによって、エンタープライズアプリケーションを「100分の1のコード量で」「20倍迅速に」構築、導入できるとアピールしている。全世界に85万人以上のAPEX開発者がおり、これまでに2100万以上のアプリケーションがAPEXで作成されたという。

 APEX AI Assistantは、自然言語のプロンプトからSQL文を作成できる機能(NL2SQL機能)。どのような結果が見たいのかを説明するだけで、複雑なSQL文も自動生成してくれる。また、SQL文に問題がある場合は修正もサポートしてくれるという。

生成AIとの会話形式でSQL文を作成できる

 アプリケーションのブループリントを新規作成する「Create App Assistant」も追加された。プロンプトから希望する属性や機能を指定するだけで基本的なアプリケーションが作成できるため、開発者はアプリケーション作成をより効率化できる。

 既存のアプリケーションに追加できる「会話型AIダイアログ」も追加された。これにより、ユーザーは会話型のインタフェースを通じて情報検索などができるようになる。

AIダイアログの利用例。ニューヨーク州の高校データベースアプリケーションに追加し、もともとのフィルタに用意されてない条件で検索を行っている

 なおこれらの機能では、ユーザー自身が用意したLLMを使うかたちとなる(BYOAI:Bring Your Own AI)。そのため、外部LLMの利用には別途コストがかかることがある。

 さらに今回のAPEX 24.1では、「Oracle Database 23ai」が備えるAIベクトル検索(AI Vector Search)機能を使ったアプリケーション開発も可能になった。セマンティック検索を使うアプリケーションが開発できる。

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