日本マイクロソフトは6月17日、「Copilot+ PC発売記者説明会」を都内で開催した。新しいクラスのPCとマイクロソフトがアピールする“Copilot+ PC”を国内のプレス関係者に披露するイベント。
Copilot+ PCは最先端のAIを体験できる製品として、マイクロソフトの呼びかけのもと展開されている。Windowsを搭載し、40TOPS(Trillion Operation Per Second:毎秒1兆回の演算)以上の性能を持つといった条件を満たすノートパソコンだ。日本では明日6月18日から販売が始まる。
クラウドとローカルの処理を分散し、AI処理を高速化
クラウド(Azure)上で使うLLM(大規模言語モデル)のほか、PC上で動作するSLM(小規模言語モデル)の利用も可能。AI処理をクラウド上だけでなくパソコン上でも処理することで、反応や操作感を高める工夫を入れている。パソコン本体の「Copilotキー」を押すことでAIアシスタントをすぐに立ち上げられる。
パソコン上で過去に表示した情報にすぐたどり着ける「リコール(Recall)機能」、フォトアプリ使用時にプロンプト入力で様々なアイデアを形にできる「イメージクリエイター」、ペイントアプリで手書きしたスケッチをAIが仕上げてくれる「コクリエイター」、カメラでとらえた画像のさまざまな補正・強調ができる「Windows Stuidioエフェクト」、PCから出力されるすべての音声をリアルタイムで英語翻訳できる「ライブキャプション」などが利用できる。
Copilot+ PC用のWindows機能として特に注目されているのがリコール機能だ。マイクロソフトの調査では、パソコンのユーザーは毎日平均5時間以上、何らかの探し物をしているという。リコール機能は必要なユーザーが機能オンにすることで有効となり、Windows Helloの機能を利用し、パソコンの前にユーザーが物理的にいるときだけ動作する仕組みだという。また、検索の対象となるスナップショット(利用履歴)は暗号化されている。明日の発売以降、Windows Insiderのコミュニティに対して最速で提供される予定。一般公開はそのフィードバックを踏まえ、堅固で安全だと確認が取れた時点とのこと。
また、各種機能のうちリコールや翻訳(ライブキャプション)はオンデバイスで動作する。コクリエーターのように画像生成自体はパソコン自体のNPUを用いるが、モデレーションと呼ばれるプロンプトの指示の解釈はクラウドを活用するなど、処理を分散しているケースもあるという。
発表会では、旅行の案内状を作るという流れで、これら生成AIの機能を紹介するデモも披露された。
Copilot+ PCの第1弾となる「Surface Pro」と「Surface Laptop」についても国内発売される。スペックや機能は既報の通りだが、11世代目となる2in1タイプのSurface Proは純正キーボードがワイヤレス型の新しいものになり、価格はSnapdragon X Plus、メモリ16GB、ストレージ256GBのモデルで20万7680円から。7世代目となるSurface Laptopの13.8インチはSnapdragon X Plus、メモリ16GB、ストレージ256GBのモデルで20万7680円、15インチは26万8180円からとなる。Surface Pro用の新しい「Surface Pro フレックス キーボード」はペン付属で8万80円、ペンなしで6万2480円。