美術館で絵画を観ながら、「この絵、一体いくらくらいするのだろう?」と考えたことはありませんか。コンビニでの買い物から高級ジュエリーまで、何にでもモノには値段があるものです。
『週刊東洋経済』では、2021年に「アートとお金」という特集を組んだところ、予想をはるかに上回る売り上げがあったそう。みなさんやはりどこかで絵画の値段を知りたいという気持ちは持ち合わせているようです。
丸の内にオフィスを構える創業30年以上の実績をほこるオークション会社「Shinwa Auction(シンワオークション)」が、2024年5月25日に東京・丸の内の郵船ビル1階にて、近代美術やコンテンポラリーアートのオークションを開催しました。
多くのアート愛好家やコレクターが会場に集い、熱気に包まれる中、200点以上の貴重な作品が競売にかけられ、エスティメイト(予想される落札価格)を上回る高値で次々と落札されていきました。
さてやはり気になるのは、絵画の落札価格(お値段)はいったいいくらなのかという点ですよね。そこで今回のオークションで落札された絵画10作品の落札価格(ハンマープライス)をエスティメイトと共にどーんと紹介します。普段、展覧会で目にするあの有名画家の作品はいかほどなのか参考にしてみてください。
レオナール・フジタ「赤いスカートの少女」
35.3×27.2cm / キャンバス・油彩 額装 / 1965年作 / 右下にサイン
裏木枠に署名・年代
東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証書付
『藤田嗣治画集 1949-1968』(1978年/日動出版)No.201
エスティメイト:2,500万円~3,500万円
ハンマープライス:4,000万円
前田青邨「紅白梅」
47.0×60.4cm / 紙本・彩色 額装 / 大谷コレクション / 1970年作
右下に落款・印/ 共シール / 東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証書付
『鎌倉大谷記念美術館名品選』(2000年/鎌倉大谷記念館)No.71
エスティメイト:200万円~300万円
ハンマープライス:920万円
小野 竹喬「夏富士」
24.0×33.4cm / 紙本・彩色 額装 / 左下に落款・印
小野道子シール / 小野竹喬鑑定委員会登録付
エスティメイト:280万円~330万円
ハンマープライス:460万円
平山 郁夫「カラコルム峠」
91.3×65.0cm / 紙本・彩色 額装 / 1983年作 / 右下に落款・印
共箱 / 大谷コレクション / 東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証書付
『平山郁夫画集』(1989年/朝日新聞社)No.144 /『平山郁夫全集 5巻 シルクロードⅠ』(1991年/講談社)No.68 / 『鎌倉大谷記念美術館名品選』(2000年/鎌倉大谷記念館)No.88 / 「第38回 春の院展」1983年(日本橋三越)出品
エスティメイト:500万円~800万円
ハンマープライス:2,600万円
東山 魁夷「緑の山湖」
46.0×61.0cm / 紙本・彩色 額装 / 1960年作 / 左下に落款・印
共箱 / 『東山魁夷全作品集』(2004年/求龍堂)No.718
エスティメイト:2,000万円~3,000万円
ハンマープライス:5,200万円
国吉 康雄「羽根のついた帽子の女」
43.2×35.9cm / キャンバス・油彩 額装 / 1935年作
左下にサイン・年代 / 東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
『評伝 国吉康雄』(1974年/新潮社)No.44 /『YASUO KUNIYOSHI ネオ・アメリカン・アーティストの軌跡』(1990年/福武書店)No.190 / 「生誕100年記念 ニューヨークの憂愁 国吉康雄展」1989年(東京都庭園美術館/読売新聞社)出品
エスティメイト:1,500万円~2,500万円
ハンマープライス:3,600万円
ベルナール・ビュッフェ「ロシェのホテル」
114.6×146.0cm /キャンバス・油彩 額装 / 1968年作
右上にサイン・年代 / Céline Lévy 照会確認済み(再発行された鑑定書が付属)
エスティメイト:1,000万円~1,800万円
ハンマープライス:2,600万円
ジョルジュ・ルオー「道化師と踊り子たち」
66.9×49.0cm /キャンバスに紙・油彩 額装 / 1933年作 / 右上にサイン・年代
大谷コレクション / Isabelle Rouault 証明書付 /『鎌倉大谷記念美術館名品選』(2000年/鎌倉大谷記念館)No.30 / B. Dorival and I. Rouault, Rouault, l’oeuvre peint, Vol.II, Monte-Carlo, 1988, No.2071
エスティメイト:500万円~800万円
ハンマープライス:1,500万円
杉山 寧「翬」
41.0×54.7cm / 麻布・彩色 額装 / 1978年作 / 右下に印・年代 / 共箱
東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証書付
エスティメイト:700万円~1,000万円
ハンマープライス:1,250万円
草間 彌生「夏に死す」
38.2×45.7cm / キャンバス・アクリル 額装
裏に署名・タイトル・年代 / 1989年 / 草間彌生作品登録カード付
エスティメイト:5,000万円~8,000万円
ハンマープライス:6,600万円
銀座から丸の内に移転してきた、シンワオークションでは定期的に様々なアート作品を扱うオークションを開催しています。
何千万もする作品はとても落札できなくても、オークションや下見会は入場無料ですので、機会があれば是非一度白熱する競売の会場に足を運んでみてください。見学のみのご入場も可能です!
Shinwa Auction 株式会社
住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング 2階
https://www.shinwa-auction.com/
また、先月KADOKAWAから発売になった拙著『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』は一般の方々から絵画や美術に関する素朴な疑問を募集し、それに応える形で作られた一冊です。名画の解説だけでなく、「絵の価値ってどうやって決まるの?」「お金持ちが絵画を買うのはなぜ?」などといった他の本では扱っていないお金にまつわる話も盛り込んでいます。
『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』以下から試し読みもできるので気になる方はぜひ~
●KADOKAWA公式オンラインショップ「カドカワストア」この連載の記事
- 第40回
地方活性
丸の内で出会う、“今”を感じ取れる若きアーティストたち渾身の作品 - 第39回
地方活性
センス抜群なグッズが豊作! ついに再開館した三菱一号館美術館、注目のミュージアムグッズ - 第38回
地方活性
スタイリッシュで“絵になる”展覧会「コンラン展」で手に入る、おしゃれなグッズの数々に財布の紐がゆるむこと間違いなし! - 第37回
地方活性
コンランのデザインは、なぜ未だ多くのデザイナーに影響を与え続けるのか? その人物像に迫る展覧会 - 第36回
地方活性
三菱一号館美術館のCafé 1894で明治時代のレトロ空間にタイムトリップ! 料理もハイクオリティで再オープンが待ち遠しい! - 第35回
地方活性
東京藝大が誇る才能あふれる若きアーティストたち! レベルの高いアートが無料で楽しめる - 第34回
地方活性
信長、秀吉、家康が愛した幻の茶道具が11月4日まで公開! 担当学芸員の見どころコメントで予習して、静嘉堂@丸の内へ - 第33回
地方活性
1966年開館の歴史あるあの美術館がまもなく休館! 楽しめるのは今年のクリスマスまで! - 第32回
地方活性
ロートレックとは何者か? 三菱一号館美術館・安井学芸員渾身の一冊『ロートレック作品集』 - 第31回
地方活性
フォロンとともに空想旅行へ! 学芸員が語る、想像力による参加型を目指した「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」の魅力