筑波大学と東京都立大学の研究グループは、激しい運動が体重増加につながることを明らかにした。マウスを使った実験で、激しい運動がストレスホルモンの一種であるコルチコステロンの分泌を促し、その結果として運動後の身体活動が低下し、体重が増加することを示した。
筑波大学と東京都立大学の研究グループは、激しい運動が体重増加につながることを明らかにした。マウスを使った実験で、激しい運動がストレスホルモンの一種であるコルチコステロンの分泌を促し、その結果として運動後の身体活動が低下し、体重が増加することを示した。 研究では、マウスを3つのグループに分け、1グループを安静にさせ、他の2グループを異なる速度のトレッドミルで走行させた。速度は中強度運動を表す分速15mと、高強度運動を表す分速25mに設定した。運動の前後でマウスの身体活動、深部体温、血漿コルチコステロン値を測定した。 高強度運動を行ったマウスは、運動後に身体活動と深部体温が低下し、体温低下が身体活動に起因することが示された。また、運動後24時間時点での体重の増加が高強度運動のマウスで顕著であった。深部体温と体重変化量に正の相関が認められ、熱産生の低下が体重増加に寄与している可能性が示唆された。 さらに、運動後の身体活動と深部体温のリズムの変化を解析したところ、高強度運動後にこれらのリズムが負の方向にずれることが確認された。コルチコステロンの分泌が運動後の身体活動に与える影響も明らかになり、高いコルチコステロン値が身体活動の低下を防ぐ可能性が示された。 これらの結果は、激しい運動がコルチコステロンの分泌リズムを乱し、身体活動の低下と体重増加につながることを示している。研究成果は5月15日、メディシン・アンド・サイエンス・イン・スポーツ・アンド・エクササイズ(Medicine & Science in Sports & Exercise)誌にオンライン掲載された。(笹田)