声優の梶裕貴氏自身の声を使った音声合成ソフト「CeVIO AI 梵そよぎ トークボイス」の製品化が決定。5月29日午後9時から、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」より3日間限定で先行受注をスタートする。
当初は歌声だけ
同ソフトは、「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役などで知られる人気声優の梶裕貴氏の声優20周年を記念し、ソニー・ミュージックエンターテインメントやテクノスピーチなどの企業が参加する音声合成AIプロジェクト「そよぎフラクタル」の一環として企画された。
同プロジェクトでは4月11日よりCAMPFIREにおいてクラウドファンディングを実施しており、すでに梶氏の声を使用した歌声合成ソフト「CeVIO Al 梵そよぎ ソングボイス」の開発は発表済みだった。
その後、5月20日にストレッチゴール1500万円を達成したことにより、歌わせるだけではなくしゃべらせることも可能なトークボイスの方も開発されることとなった。
「人間とAIの共存」を本気で考えるため
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— 梶裕貴 Yuki Kaji (@KAJI__OFFICIAL) May 27, 2024
昨今、人気歌手や声優の声をAIに学習させ、当人とは関係のない歌を歌わせたり、セリフを言わせたりする「無断AIカバー」が問題になっている。
同ソフトで生成された曲またはボイスは「個人又は同人サークルに限り、商用/非商用問わない幅広い用途での利用を許諾する方針」で検討されており、二次創作ガイドラインも整備中とのことだ。
梶氏は5月27日にXに投稿した本件に関するコメントの中で「正直、たくさん悩みました」と心情を公開している。
現状、「無断」状態でAIコンテンツが生成され続けており、それを防ぐ決定的な手段も見つかっていないのは事実だ。
だが、だからといってAIと敵対するのではなく「"人間とAIの共存"を本気 で考え」、「リスクを背負ってでも、行動に起こす必要と価値があるのではないか」と梶氏は続ける。
「誰も傷つけない範囲で、思う存分に、楽しく利用していただきたいのです」という梶氏の願いはこのプロジェクトで実現するのだろうか。