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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第282回

液晶をタッチして操作する、Volumioの新ネットワークプレーヤー「Motivo」

2024年05月26日 09時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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 TOP WING Cyber Sound Groupは、Volumioのネットワークオーディオ「Motivo」を国内で発表すると発表した。価格と発売日は未定だが、年内の発売を目指しているということだ。

Volumio Motivo

 もともとVolumioはRaspbery Pieなどにインストールして使う、オーディオ再生用の基本ソフトウェアであったが、現在は最適化したハードウェア製品を投入している。

 これまでのラインアップは手軽なネットワークプレーヤーである「PRIMO」、高性能デジタル出力に特化した「RIVO」、そしてスピーカーアンプ一体型の「INTEGRO」の3機種があった。「Motivo」の特徴は、8インチのマルチタッチ対応のIPS液晶ディスプレーを搭載する点だ。また、オーディオラックに入れるようなデザインではなく、机上での使用を想定したデザインとなっている。一方で、大型で、赤く丸いボタンはほかの製品のデザインと統一感がある。

Volumio Motivo

 Motivoは海外ではストリーマーなどと呼ばれるアナログ出力を搭載したネットワークプレーヤーと、デジタル出力をメインにしたトランスポートを統合したような設計で、PRIMOとRIVOの性格を併せ持つ。DACチップはESS Technologyの「ES9038」で、最大384kHz/32biのPCMやDSD 256をサポートしている。ESSのフラグシップDACに加え、Amanero Technologiesと共同開発したカスタム接続をしているようだ。Amanero TechnologiesはUSB入力技術に長けた会社なので、USBデジタル入力からDACまでの経路において、何らかの改良がなされているのだろう。アナログ出力はXLRとRCA両用の端子を備えている。

 また、デジタル出力においてもRIVOのトランスポート技術を改良しているそうだ。例えば、専用リクロック回路、ガルバニック絶縁、各デジタル出力用の独立したPSUの組み合わせで、デジタル出力の高品質化を図っている。USBからは最大768kHz/32bitのPCMとDSD 256の出力が可能だ。またI2S over HDMI出力(いわゆるPS Audio方式によるI2S出力)も備えている。ネットワークプレーヤーのデジタル出力は、付属機能的な扱いになることも多いが、かなり力を入れて設計しているのが分かる。

Volumio Motivo

 INTEGRO同様、TIの「TPA6120A2」を採用したヘッドホンアンプも搭載している。端子は6.3mmだが、高インピーダンスのヘッドホンと低インピーダンスのヘッドホン用に最適化した端子を2基搭載している。ここはINTEGROをさらに改良したと言えるだろう。もともとTPA6120A2は、ハイパワーのヘッドホンアンプICだが、使えるヘッドホンのバリエーションはさらに増えるだろう。

Volumio Motivo

 このようにMotivoは、単に大型スクリーンを追加しただけでなく、PRIMO、RIVO、INTEGROのいいとこどりをしてデスクトップ向けにまとめたものと言える。使い方としてはFiiOの「R9」やEversolo「DMP-A8」に近い、システムのコアになるような製品である。

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