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新車を買った情報2024 第131回

自転車の未来の最後尾が見えるミリ波リアビューレーダー

2024年05月26日 07時00分更新

文● 四本淑三 編集● ASCII

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サイクリングの帰り道にありがたみを実感

 もっともレーダーのありがたみを実感するのは、交通量の少ない郊外の道路です。大抵がサイクリングに適した気持ちの良い道路ですが、そんな道路はクルマだってぶっ飛ばしています。

 サイクリングの帰り道というのは不思議なもので、大抵が向かい風です。消耗した体力で必死で風と戦っているというのに、いきなり横をクルマがすっ飛んでゆく。風のおかげでクルマの走行音なんか聞こえません。怖いよー。

 そうしたヘロヘロの自転車が20km/hで走行している場合、60km/hで接近する車両は通過約13秒前、法定速度を超えつつ免停にならない程度の速度でも、通過8秒前までには検知できます。たとえヘロヘロでもペダルは踏めているわけですから、左に寄るなど回避行動は取れるはず。

 ちなみにリアビューレーダーは十分な速度差があってレーダーが拾える状況なら自転車でも検知します。もしプロ並みに速いロードバイクが接近してきても、失礼のないよう避けられるかも知れません。

 総じてリアビューレーダーでありがたいのは、今まで漫然と繰り返していた後方確認の動作が減ること。後ろを見たけど何もなくて空振りだった。逆に後ろを見ようとしたらもうクルマが横にいて焦った。そうした不必要な確認や危険が減ることです。

 そしてクルマを運転する立場で見ると、前を走る自転車のタイムリーな後方確認動作は「おっ、あの自転車はこっちを認識しているな」という安心感にもつながるわけであります。

 心得ておきたいのは、レーダーにも後続車を検知できない状況があること。右カーブは良くても、左カーブ走行中は後続車が的から外れて検出できないことがあります。樹木や建物、崖に塞がれる場合は尚更ですが、そうした状況では目視確認もできないので諦めるしかありません。同様に片側2車線以上の道路で車両の陰になるものも検知できませんし、左折後レーダーから後続が消えて安心していたら、実は後続も左折していて突然レーダーに現れるといったこともあります。

 これまでに明らかな誤検知による危険を感じたことはありませんが、突如猛スピードで接近する車両があって焦っていたら、実は道路と並行して走る電車だったという経験はあります。どんな状況で何を検知し、何を検知できないのかを覚えておくことは、リアビューレーダーと付き合う上で必要なことだと感じています。

手軽に済ませるならスマホもアリ

 クルマを運転する立場としてもリアビューレーダーは広く普及して欲しい装備ですが、何しろお高い。最近はブライトンやマージーンが2万円を切る価格でテールライト一体型の製品を出していますが、対応するサイコンとペアで揃えると、そこそこ軽いホイールの前輪くらいは買えてしまいます。

 そこでサイコンの代わりにスマホを使うのも手です。

 例えば「Ride with GPS」というアプリ。これは速度表示やナビケーションのようなサイコン機能を持ち、かつリアビュレーダーとのBluetooth接続に対応しています。レーダーをペアリングするとサイコン同様に接近する車両を表示し、音で知らせます。サイコンより画面が大きく見やすいので、もしアプリの機能に不満がなければこれで全部賄うのもアリです。

 ガーミンには純正アプリ「Varia」もあります。これは接近する車両をシンプルな画面表示と音、加えてバイブレーションで知らせます。これだけのためにスマホをマウントするのも面倒と言う場合は、パンツのポケットにでも入れておけばいいんであります。車両が接近するとブルっとくるので分かりやすい。

 但しスマホアプリはテールライトを発光モードにしておかないとBluetoothの接続が切れます。安全性から言って真昼間からライトをピカピカさせた方が良いのですが、バッテリーの減りは早い。スマホのアプリにしてもGPSをぶん回すものは電力もそれなりに消耗しますから、モバイルバッテリーで給電することも考えなければなりません。

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