このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第483回
山根博士のグロスマレビュー
カメラスマホ「nubia Z60 Ultra」は35mmカメラで歪まず撮影が楽しい
2024年05月27日 12時00分更新
35mmカメラでゆがみ少なく、風景写真も美しく撮影
nubia Z60 Ultraのカメラ構成はメインの広角が35mmで、一般的なスマートフォンの25mm前後よりも標準に近い画角となっている。そのため、よりゆがみの少ない撮影が可能だ。望遠カメラは85mmで、26mm換算では3.3倍となる。こちらは人物のポートレート撮影にも適したカメラといえる。さらに18mmの超広角カメラも5000万画素と高画質であり、3つのカメラはいずれもOIS(光学式手ぶれ補正)を搭載している。
カメラ部分は全体的に出っ張っているものの、円形や長方形のカメラバンプを組み合わせた配置により、いかにも「機械」という印象を与えてくれる。
本体はやや重いと感じるものの、OISもあるためどの画角でも手ぶれの少ない撮影ができる。カメラの操作も高速で、撮影時にストレスも感じない。また、35mmでの撮影はストリートスナップにも向いており、カメラを使うのが楽しくなるだろう。ストラップ付きのケースに入れてデジカメ代わりに使うのが良さそうだ。
カメラを起動すると倍率表示ではなく、焦点距離表示となっているのがカメラフォンとしてのこだわりを感じられる部分だ。ビデオの性能も高く4Kでは120fps、8Kでも30fpsに対応する。そしてnubiaは元々ZTEの高性能カメラフォンとしてブランドを分けた経緯があることから、多彩なカメラモードも搭載されているのが特徴だ。
長時間露光に対応し星空の軌跡撮影も可能だし、光を動かして軌跡を撮影するライトドローにも対応するなど、撮影そのものを十分に楽しめる。
撮影モードにはアナログ風の色合いで撮れるストーリーモード(日本語メニューでは「番地」となっている)も搭載されている。プロモードをより使いやすくしたモードで、撮影パラメーターの変更やフィルターエフェクトが簡単にできる。nubia Z60 Ultraでは、このストーリーモードでの撮影が最も楽しいだろう。
今回は短時間しか試用できず、室内で簡単に画角の差を撮影比較した。以下作例だ。
nubiaの日本展開にぜひ欲しい1台
nubiaのブランドは、ここ数年カメラフォンとして海外市場で存在感を着々と高めている。ZTEは日本でキャリア向けの「Libero」シリーズを展開している一方で、ZTEブランドのモデルはしばらく投入されていない。
イメージチェンジを図る考えもあってかnubiaブランドを日本に上陸させ、3月に縦折りモデル「nubia Flip 5G」を発売したのは周知の通りだ。キャリア向けの「Libero Flip」と合わせ、折りたたみスマートフォンの価格破壊を起こしたことはエポックメーキングなことであるが、折りたたみモデルはまだニッチな存在であり、nubiaのブランド力を高めるにはまだ力不足だろう。
nubia Z60 Ultraは他社のフラッグシップモデルと十分互角に競争できる製品であり、35mmのカメラや本体デザインなど差別化できる製品でもある。シェアを奪いに行くのではなく、まずはnubiaというブランドを認知してもらうためにも、日本市場への投入を期待したい。
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