アマゾンは、年内にも同社が展開する音声アシスタント「アレクサ」に会話型AIを搭載した新バージョンを発表する予定であることが米メディアによって報じられた。このサービスは「Amazonプライム」には含まれず新たな月額サブスクリプションプランとなるという。
かつての看板プロジェクトも今は昔
創業者のジェフ・ベゾス時代、アマゾンはアレクサの開発に多額の資金を投じ、積極的に機能拡張を進めていた。ベゾスはアレクサをアマゾンの重要な戦略的製品と位置づけ、利益を度外視してでもアレクサの可能性を追求する方針が社内で徹底されていた。
しかし、2021年にアンディ・ジャシーがCEOに就任してからは状況が一変。アレクサ部門への投資は大幅に縮小され、新機能の開発よりも既存サービスの効率化に軸足が移されるようになった。
かつての看板プロジェクトであったアレクサは、社内での優先順位が大きく下がり、高価な目覚まし時計やキッチンタイマー程度の存在になり下がってしまったのだ。
Titanはアレクサを生まれ変わらせることができるのか
昨今のAIの急速な進歩に対応するため、アマゾンはアレクサチームを解散し、その多くが新設された人工汎用知能(AGI)チームに移行したが、特に人材面で競合他社との獲得競争が激化しており苦戦を強いられている。
唯一の光明とも言えるのが、アマゾン独自の大規模言語モデル「Titan」の存在だ。
アマゾンは、Titanを核としてアレクサを全面的に刷新し、対話力や知識量、応用力などの面で大幅な進化を遂げさせる計画だ。
ただし、Titanのようなモデルを運用するためには膨大な計算リソースが必要で、コスト面での課題は避けられない。新アレクサのビジネスモデルをどう構築するかは、サービスの将来を左右する重要な問題となるだろう。
なお、上記内容に対しアマゾンからの公式コメントは出されていない。