2台セットで手軽にステレオペア再生、サウンドバーとのセットも投入
デノン、安価にステレオペアを組める「DENON HOME 150 NV」を発売、ネットワークスピーカーの新製品
2024年05月22日 11時00分更新
整ったトーンバランスで聞きやすくまとまり感のあるサウンド
発表に伴ってデノンの試聴室で製品のデモが実施され、音質を改めて体験できた。
まずはステレオペアでの再生。ボーカル曲として、Stella Yangの「Colors」。ステレオペアで聴くと、声の美しさ、聞き取りやすさ、中高域の充実感などが印象的。音場も広く、冒頭の拍子木や指をはじくようなSE音や、何かをカラカラと鳴らしている音がきれいに分離し、空間に浮かび上がってくるのが印象的だった。
オーケストラ演奏の「展覧会の絵」も、サイズからは想像できない重量感のある音だった。コンシューマー向けスピーカーというよりは本格的なHi-Fiスピーカーとしてのチューニングで、かつ色彩感のある華やかな音を楽しめた。大きな編成の曲だが、各楽器の分離もよく、全体的なバランスが整っていたことも好印象だ。演奏されているホールの空間が広く感じられ、なじみ感良く体験できる。
また、エレクトロニカの曲としてEkcleの「Moonstone」も再生された。高域がきつすぎないウォーム系のサウンドながら、電子楽器が奏でるさまざまな音色の多彩さを存分に感じ取れた。音はスピーカーの設置位置より、かなり外側まで広がる。真正面にユニットを置き、DSPも掛けずに正統派のサウンドを目指したという、DENON HOME 150の本領が発揮されたようなサウンドだった。
サウンドバーと組み合わせ、手軽だが上質な空間再現も
次にサウンドバーを組み合わせたシステムで聴く。動画再生では、まずYouTubeの「First Take」から安田レイの歌唱を聞いた。2chの音源を疑似サラウンドで再現したものだが、まず良いところはボーカルの豊かなニュアンスを楽しめるところ。そしてそれが違和感なく感じられる点だ。
映画では『地獄の黙示録』のジャングルのシーン。自分を中心に前面、側面、背面とぐるりと囲んだ位置からジャングルの効果音が聞え、没入感が高い。これはサウンドバーのバーチャル再生にはない、リアルのリアスピーカーがあるからこその再現だろう。ジャングルを進み、動植物に囲まれている感じがよく出ていた。
また、『ボヘミアンラプソディー』では、ラストシーンにつながるスタジアムのライブを聞いた。ここの面白さは映像の中に移っている観衆の中に自分がいるような、前後左右から歓声が聞こえるその中心で音を聞こえている感覚が味わえる点だ。歓声のただなかに中に入り、それと一体化したサラウンド感を味わた。
サブウーファーのない4.0chでの再生ということで、低域はやや控えめだが、音楽用途……をうたうだけあって、Hi-Fi的な豊かな音色感や広いサウンドステージが楽しめるのが好印象だった。
映画の場合も、手軽にサラウンド再生を楽しめていい。DENON HOME 550自体がコンパクトであることに加えて、設定も簡単だ。音のバランスも当然のように良く取れているので、テレビを中心にまずサラウンドを楽しんでみたいというエントリー層にも最適な製品と言える。さらに、必要に応じてサブウーファーを追加するなど、システムアップが楽しめるのもいい。
各製品とも発売日は5月24日。価格はオープンプライス。パッケージ化と機能の最適化によってDENON HOMEの魅力がより手軽に味わえるようになったDENON HOME 150 NV。その魅力をぜひ体験すべきだ!!