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T教授の「戦略的衝動買い」 第784回

ありそうでなかった“目盛り”で時間経過「ビジュアルバータイマー」を衝動買い

2024年05月17日 11時45分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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カウントダウンとカウントアップ、リピートと
タイマーに求める機能は網羅

 オフィスや家庭に必須のタイマーは、キッチンタイマーに代表されるゼンマイ形式のモノが多いが、今回のビジュアルバータイマーは単4アルカリ乾電池2本で約2年間動作する。提供される機能は「①カウントダウンタイマー」「②カウントアップタイマー」、そしてポモドーロテクニックに使える「③リピート計測モード」の3つのモードだ。

 3つのモードの選択や時間設定は、ビジュアルバータイマー上面にある5つのボタンでする。側面にある小さなスライドスイッチは、アラームとボタンの操作音のオンオフを切り替え用だ。またタイマー設定数値のリセットは、1分と10秒のキーの同時押しで対応するようになっている。

 ビジュアルバータイマーは左側3分の2ほどの面積に棒型目盛が20個、右側にはデジタル4桁の表示をする構造だ。カウントダウンタイマーとして使用する場合には、最大計測時間は99分50秒。それを20個の棒型目盛で表現する。

 例えば10分のカウントダウンタイマーを設定したら右側には「10.00.」という数値。左側には棒型目盛が20個表示されてスタートする。時間の長短に関わらず棒型目盛は常に一定の20個なので、10分のカウントダウンタイマー設定時は30秒経過するごとに、棒型目盛が右端から1個ずつ消えていく。

 前述したようにカウントダウンタイマーの最長設定値は、4桁液晶と設定ボタンの最小単位が10秒であるがゆえに、最大で99分50秒となる。この場合でも棒型目盛は20個を使うので、実際には棒状目盛1個は299.5秒(4分59秒5)となるが、20個の最初の棒状目盛1個を10秒短い4分50秒として清算して残りの19個を各5分とすることはせず、全体を通じて10秒の誤差をある程度均などに修正していく仕組みのようだ。

 そのためビジュアルバータイマーのある瞬間の右側のデジタル数値の残り時間と、左側の棒状目盛の数のミスマッチが発生する。些細な誤差なので基本的には気にすることのない話だが、つい興味を持ってしまった。ボタンで残り時間の設定不要なカウントアップタイマーは、最大で99分59秒までが測定可能だ。棒状目盛は5分ごとに左から1本ずつ増えていく。

 今回のビジュアルバータイマーも、作業時間と休憩時間を組み合わせて何回か繰り返す人気の「ポモドーロテクニック」用のタイマーとしても活用できる。基本的にはポモドーロタイマーの設定は、作業時間25分+休憩5分、この組み合わせを3回繰り返すケースが多いようだ。

 しかし実際に自分で何度かやってみると、25分ではなく30分、5分ではなく10分、繰り返しは3回ではなく5回とかに設定したい人も多いだろう。ビジュアルバータイマーの「リピート計測モード」(ポモドーロタイマー機能)は、個人の最適値を設定可能なところがなかなか便利でありがたい。

 棒状目盛の増減だけを見ていると、横型のビジュアルバータイマーよりスペースセーバー型の縦型の方がしっくりきそうだ。ポモドーロタイマーとして見ても、従来からのアナログ学習時計の示す「時間の量」の面積による見える化ではなく、デジタル時代の「時間の量」の見える化をグラフ表現したビジュアルバータイマーはなかなかおもしろい商品だ。

 操作系のユーザインターフェースがデジタル時代的な素気のない5つのボタンではなく、レガシーなタイマー系で多く採用されているような「回す」「捻る」「引っ張る」「ひっくり返す」などが加わると、もうひとつ楽しく実用的なガジェットアイテムになりそうだ。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:キングジム「ビジュアルバータイマー」(VBT10)
・購入:ヨドバシ.com
・価格:2970円

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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