Google AIの魅力を実感。今後の伸びしろにも期待できそう
Google AIは発売後に予定するFeature Dropにより、Pixel 8aでGemini Nanoが使えるようになります。オンデバイス処理により、Pixel純正のレコーダーアプリで録音した音声のテキスト文字起こしを「要約」したり、メッセージアプリなどでGboardを使ったスマートリプライ(AIによる応答テキストの先読み提案)に対応します。ところが、いずれの機能も日本ですぐに使えるものの、対応する言語は英語のみになります。会議の議事録を日本語でもGoogle AIに要約してもらえるようになれば、AIスマホとしてPixel 8aのお得感が満喫されるかもしれません。
グーグルが“AIカメラ”と呼ぶ、Pixelシリーズで撮った写真/動画を「フォト」アプリで後処理加工できる機能も充実しています。Pixel 8 Pro/Pixel 8から搭載が始まった「ベストテイク、」「音声消しゴムマジック」「編集マジック」などの新機能が、Pixel 8aにも揃いました。Pixel 8aはAIフォトグラフィの最新機能が手軽に楽しめるスマホです。
オーディオの性能は、Pixel 8シリーズで共通のようです。Pixel 8aもBluetooth LEオーディオに対応しています。ただ、Pixel 8aにバッテリーシェアの機能がないことに不満が残りました。筆者はワイヤレスイヤホンのバッテリーが不意に切れそうになった時に、よくPixel 8のバッテリーシェアを使うからです。iPhone 15 Proのバッテリー残量がピンチの時にも、Pixel 8のバッテリーシェアによく助けられています。
Pixel 8aは、優秀なミドルレンジ価格帯のスマホです。Google AI対応の“伸びしろ”にも期待ができそうです。かたや、昨年秋に発売されたPixel 8を、現在とても手頃な価格で販売している通信キャリアもあります。例えばソフトバンクオンラインショップではPixel 8の128GBのモデルが総額9万4320円で販売されていますが、「新トクするサポート」(スタンダード)のプログラムを適用すれば、支払い総額がPixel 8aと同じ2万2008円になります。いまPixel 8aに買い換えることを検討しているのであれば、Pixel 8との真剣比較にも時間をかける価値がありそうです。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。