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山本 敦の「新選! オーディオレポート」 第40回

「いい音で聴ける」カセットテーププレーヤーFIIO「CP13」実機レビュー

2024年05月10日 19時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島 恵里子/ASCII

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デ・ラ・ソウルが2023年にカセットテープ版を発売した「3 Feet High And Rising」を聴きました

圧巻の高音質、CP13を聴く

 筆者が愛用するシュアのイヤホン「AONIC 5」をCP13に接続して、デ・ラ・ソウルのアルバム「3 Feet High And Rising」から『The Magic Number』を聴きました。2023年に“カセット再発プロジェクト”で復刻された新品のカセットテープ版タイトルです。

 伸びやかなボーカル、ずしんと響く低音の迫力が伝わってきます。一般的にはデジタル音源に比べると、カセットテープの音源は解像感が粗い印象があると思いますが、CP13のサウンドはその先入観を覆すほどに雑味がなくきめ細やかです。音楽の輪郭が太くシャープに描かれます。音場も広く、立体的に描かれる空間の中に高音域の余韻がふわっと満ちるようなリスニング感が味わえます。

 デ・ラ・ソウルの同じ楽曲はApple Musicなどの音楽配信サービスでも聴けます。iPhone 15 ProとAirPods Proを組み合わせれば、空間オーディオにダイナミックヘッドトラッキングをプラスした最先端のポータブルリスニング環境でも楽しめるので、それぞれを比較しながら聴いてみると色々な発見があると思います。筆者はCP13で聴くカセットサウンドの温かみに生演奏のリアリティを感じました。

注目のポータブルカセットプレーヤーと聴き比べる

 筆者が昨年に衝動買いをした東芝エルイートレーディングのポータブルカセットプレーヤー「AX-W10C」と、CP13を聴き比べてみました。CP13の高い解像感と音色の艶やかさはまさしく別格でした。これから本格的にカセットテープによる音楽再生を試してみたいと考えている方は、少し奮発してCP13を選ぶべきです。

 一方、AX-W10CにはBluetooth再生やバーチャルサラウンドの機能があります。カセットテープの音源をワイヤレススピーカーで再生したり、Bluetooth対応機器の豊富な選択肢が活用できる魅力が本機にはあります。スウェーデンに誕生したMONDO BY DEFUNCのワイヤレスヘッドホン「MONDO Freestyle」のような、スタイリッシュなワイヤレスオーディオとのコーディネートも楽しめます。

東芝エルイートレーディングのポータブルカセットプレーヤー「AX-W10C」と、MONDO BY DEFUNCのワイヤレスヘッドホン「MONDO Freestyle」

 好きなアーティストがカセットテープで制作した音源を勢いで購入したものの、再生できるプレーヤーがなくて困っていたという方に今回のレポートが参考になれば幸いです。

 
主なスペック
製品ジャンル ポータブルカセットプレーヤー
ブランド FIIO
製品名 CP13
実売価格 2万円前後
出力端子 3.5mmステレオミニ
インピーダンス 8〜150Ω
連続再生時間 約13時間
外形寸法 約120W×88.3H×31.8Dmm
質量 約310g
 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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