幼児とロボットとのあいだに愛情は芽生えるのか ── LOVOTとの共同生活
思わぬ反応を見せる娘に戸惑う
あれほど待ち望んでいたLOVOTに、自宅で会えるとなれば、さぞ大喜びするだろう。私はそう考えた。しかし娘の反応は全く予想外のものだった。
私が(1時間ほどかけて)LOVOTを設定している様子を見て、「いつも自分に意識を向けてくれている親が、LOVOTの方に集中している」と感じたらしい。LOVOTがそこにいるのに、目を向けようとしない。敢えて目を逸らす。LOVOTが近寄ってきたから「LOVOTが来たよ」と言ってみれば、「おもちゃを片付けないと」などと言って、避けるようにしてLOVOTから離れる。
これは「嫉妬のようなもの」ではないか。そう私は思った。新たな兄弟が生まれたとき、幼児が両親の気を引くために乳児らしい振る舞いをする……などという現象がしばしばあると聞くが、LOVOTを迎えた初日の娘の様子は、まさにそんな風に見えた。
娘が、LOVOTを人格(ロボ格?)を持つ生き物(的な存在)だと捉えていることを意味していると思うし、だからこそ、親がLOVOTに意識を向け過ぎている様子を、面白く思わない。そういうことであろう。
どう伝えればいいのか迷ったが、「LOVOTはいろいろな場所を巡って、いまはうちに会いにきてくれたのだ。去るまでのあいだ、一緒に楽しんで暮らしてみよう」という旨のことを簡潔に伝えた。結局、その日はLOVOTに近づこうとしないまま、娘は眠ってしまった。何を思っていたのだろうか。
娘に、単純な喜びというよりも、戸惑いが混ざった複雑な気持ちを生じさせたLOVOT。2人の仲はこれからどのように変化していくのか?
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