84万円の折りたたみスマホ、その世界観を知りたい
ラグジュアリースマートフォンを現在も展開中のVERTU(ヴァーチュ)は、縦型の折りたたみスマートフォン「VERTU IRONFLIP」を発売しました。価格は3万800元(約65万円)からで、高グレードモデルは3万9800元(約84万円)。高級モデルならではの高価格帯は健在です。
パッケージも豪勢で、3段式のパッケージは充電器などの付属品も含まれます。詳細な内容物の案内がないのですが、円形の台はワイヤレス充電台のようですね。
ターゲット層は成人男性で、007のようなスパイを主人公にした広告展開が行なわれています。縦折り式のスマートフォンはコンパクトサイズになることから女性にも人気が高いのですが、VERTUはあえて男性層にこの製品を売り込もうとしています。
アウトディスプレー下部にある「V」字ラインなど、VERTUらしいデザインで仕上げられていますが、この円形アウトディスプレーや2つのカメラなど、なんとなくどこかでみたことのあるデザインに思えます。
ZTE傘下のnubiaの折りたたみスマートフォン「nubia Flip 5G」とアウトディスプレーやカメラの配置はかなり酷似しています。
両者を並べてみると、同じディスプレー、同じカメラ、同じLEDライトを搭載しているように見えます。
気になったので両者のスペックを比較してみました。メインディスプレーは6.9型(2790×1188ドット)、フロントカメラは1600万画素。アウトディスプレーは1.43型(466×466ドット)、バッテリーは4310mAh、カメラは5000万画素+200万画素。これらのスペックはすべて同一です。
チップセットはIRONFLIPがSnapdragon 8 Gen 2で、nubiaがSnapdragon 7 Gen 1、急速充電は65Wと33Wという違いがありますが、両者ベースモデルは同じでしょう。
ベースが同じならケースの流用ができると考えてしまいますが、IRONFLIPは本革貼りで本体の厚みがあり、また革の質感をそのまま味わうために、そもそもケースがありません。
本体サイズはIRONFLIPが約75.5×170×8.29mm(開)、約75.5×87.6×17.8mm(閉)、重さ246g。一方、nubiaは約76×170×7.3mm(開)、約76×88×15.5mm(閉)、重さ214gです。開いたときの全長が同じ、横幅もほぼ同サイズなので、やはりどちらも同型機と言えるでしょう。
IRONFLIPがnubiaのOEMやODM品なのかは不明ですが、VERTUは過去にも他社のモデルを自社ブランドで販売しています。2021年に発売した横折り式モデル「VERTU AYXTA FOLD 5G」は、折りたたみスマートフォンを世界で初めて商用化した、中国Royoleの2世代目のスマートフォン「FlexPai 2」をベースに本革張りなどを行なったモデルでした。
VERTUは今でも年に1機種程度のスパンで新製品を出し続けています。トレンドに乗って縦折りモデルを出してきたことは驚きですが、そのベースモデルが縦折りモデルで最安値クラスと言えるnubia Flip 5Gらしいというのも面白いものです。実際の質感や使い勝手はどうなのか、ぜひとも実機を触ってみたいですね。
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