親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第266回
ほとんどのSNSは13歳以上が対象。LINEでも12歳以上推奨なので注意
6~9歳の5人に1人はSNS投稿・動画撮影経験済み。小学1~3年生が配信する例も
2024年04月16日 09時30分更新
低年齢の2割が「投稿・メッセージ交換」
最新の低年齢の子どものネット利用状況は、過去と比べてどうなっているのか。未成年とその保護者を対象としたこども家庭庁の「青少年のインターネット利用環境実態調査」(令和5年10月)を見てみよう。
おすすめの関連記事
意外と知らない「ひとケタ年齢の子ども」がネットでしてること!
インターネットを利用している低年齢層の子どもの利用内容の内訳は、「動画を見る」(93.6%)、「ゲームをする」(64.7%)が上位となっている。
GIGAスクール構想の施策によって一人一台端末を貸与されたことで、小学校低学年においては「勉強する」(40.0%)が増加。「検索をする」(24.3%)も顕著に伸びている。調べ学習や家庭学習などでの活用が定着していると考えられる。
さらに、「投稿やメッセージ交換をする」も全体で12.4%、小学生(6~9歳)ではなんと20.2%に。学校でコミュニケーションをさせる例もあるが、SNSなどでのやり取りも浸透していると考えられるのだ。
なお、ほとんどのSNSは13歳以上対象となっており、連絡用に低年齢でも利用されているLINEでも12歳以上推奨だ。この年代の子どもは原則として対象外であり、保護者が自分のアカウントで利用させる場合にも注意が必要だ。
2割以上が撮影・制作、18.3%が配信している
さらに見ていくと、「撮影や記録、制作をする」も全体で15.5%、通園中(0~6歳)でも7.4%、小学校低学年(6~9歳)にいたっては22.2%に上る。なんと、低年齢でも主体的に写真や動画などの撮影、記録、制作をしているのだ。
撮影や記録、制作をしていると回答した子どものうち、配信したことがあるのは、令和3年の7.4%から、令和4年が18.1%、令和5年には18.3%まで増加している。YouTuberやTikTokerなどが広く認知されたことで、低年齢の子どもたちも当たり前に動画配信などを実施するようになったのだ。
なお、撮影や記録、制作は、年齢が上がるごとに割合が高くなり、17歳では46.6%と約半数まで増加する。
SNSや写真・動画によるコミュニケーションは、子どものあいだに一般化している。一方、ネットいじめが起きたり、写真や動画は映り込みによって個人情報が特定されたり、炎上につながるなどの問題も起きている。利用させる場合は、ルールや約束、見守りの徹底が必要だろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
この連載の記事
-
第307回
デジタル
子どもにYouTubeを見せるなら「制限付きモード」をオン推奨 -
第306回
デジタル
新成人のお年玉事情2025! 20歳でも6割はもらっている -
第305回
デジタル
推し活は10代でも当たり前! 男子の推しはYouTuber、では女子は……? -
第304回
デジタル
勝手にLINEグループに追加される理由と対策を解説 -
第303回
デジタル
「情報I」が今年度から大学入学共通テストに追加! 受験生たちはどう思っている? -
第302回
デジタル
スマホを「遊びの機器」と回答した小中学生は長時間利用しがちな傾向 -
第301回
デジタル
LINE通知をオフにする方法すべて! 全通知から個別、機能別まで -
第300回
デジタル
意外! 10代は他世代の5倍もVR・ARを体験済 -
第299回
デジタル
シニア層にも広がるLINE、60代の約8~9割、80代でも3人に1人が利用中 -
第298回
デジタル
LINEスタンプで写真に日付や位置情報を描き込む方法 -
第297回
デジタル
女子大生の8割以上がショート動画視聴は「最も無駄な時間」 - この連載の一覧へ