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山本 敦の「新選! オーディオレポート」 第36回

【レビュー】楽器の練習や音楽再生にもよかった! ゼンハイザーの新モニターヘッドホン「HD 490 PRO」

2024年04月05日 18時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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素材が異なる2種類のイヤーパッドが付属。簡単に着脱交換ができます

楽器の練習に最適な理由

 筆者はKATANA:GOとHD 490 PROの組み合わせは、楽器の練習にも適していると感じました。密閉型ヘッドホンで聴くサウンドの方が、より低音がガツンと響く感じはあるものの、開放型ヘッドホンの方がエレキの音色がより切れ味を増す手応えが得られました。

 さらに開放型ヘッドホンならば、楽器を弾く手もとの「生音」もわずかながらも聞こえてきます。エレキギターをかき鳴らす時のフィジカルな動きにサウンドが連動して、一体感が高まります。筆者は弾けないのでわかりませんが、ピアノのような鍵盤楽器の方が、演奏する時に身体が楽器に触れるフィードバックが感じられるので、開放型ヘッドホンの方が演奏にのめり込めそうな気がします。

 もうひとつ、開放型ヘッドホンならばマイクとミキサーを用意しなくても気軽に弾き語りの練習ができてよかったです。

 一方、開放型ヘッドホンは構造上、装着した状態で周囲の音が漏れ聴こえてくるので、ボーカルや楽器の演奏をシビアに聴きながら録音制作をする用途にはあまり向かないかもしれません。

どんな音楽にも合うバランスの良いサウンド

 今回紹介したゼンハイザーのHD 490 PROやソニーのMDR-M1ST、MDR-CD900ST、シュアのSRH840Aなど人気のモデルを聴き比べてみるとよくわかると思いますが、音楽制作向けのスタジオモニターヘッドホンは「余計な色づけのない、フラットバランスなサウンドキャラクター」を共通の特徴としています。その理由は、ミュージシャンやアーティストが創りたいサウンドにヘッドホンがフィルターをかけてしまうことを避けるためです。

付属するケーブルは3.5ミリのコネクタを採用。Macによる音楽リスニングにも最適です

 このようなスタジオモニターヘッドホンの特徴を活かして、ふだんよく聴いている音楽の素の表情をHD 490 PROで楽しむのも良いと思います。本機はサウンドに脚色はしないものの、情報量が豊富で立体感の豊かなサウンドを楽しませてくれます。日常の音楽リスニングにも真価を発揮すると思います。

 
主なスペック
製品ジャンル スタジオモニターヘッドホン
ブランド SENNHEISER
製品名 HD 490 PRO
実売価格 6万6000円前後
形式 開放型
ドライバー 38mm口径 ダイナミック型
インピーダンス 130Ω
質量 260g
 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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