長野県飯田市にバイオマス発電所
このほかにも、エプソンの環境に対する取り組みは、多方面に渡って進められている。
エプソン初となるバイオマス発電所を長野県飯田市に建設する計画を新たに発表。2026年度の稼働を目指しており、セイコーエプソングループが国内で使用する電力使用量の2~3%をカバーできると想定している。
さらに、2023年8月には東北大学とともに、サスティナブル材料共創研究所を開設し、古紙や衣類、木材を解繊した繊維を活用し、セルロース繊維複合型バイオプラスチックおよび再生プラスチックに関する技術確立に向けた研究を進めているという。
加えて、2024年1月に、香港を拠点とするHKRITA(エイチケー・リタ)と共同開発契約を発表。PaperLabに採用しているエプソン独自のドライファイバーテクノロジーを応用して、伸縮性混紡素材や強撚糸素材の解繊技術を確立することで、衣類繊維のリサイクルソリューションの提供につなげる考えを示している。
そして、エプソンアトミックスが持つ独自の金属粉末製造技術によって、金属端材や使用済み金型などを、再生金属原料とし、エプソングループで循環利用している。同社では、2023年10月から、八戸市北インター工業団地内に、新たな金属精錬工場の建設を開始しており、約55億円を投資し、2025年6月の稼働を目指す。
そのほか、自社のCO2残余排出量を相殺する CO2除去技術を確立。インクジェットヘッドなどの薄膜技術を応用したCO2分離膜技術や、バイオ技術を活用したCO2固定化技術などに取り組んでいる。
セイコーエプソンの小川社長は、「長期使用による商品の廃棄削減と、資源の有効利用を図り、地上資源を最大限に活用して、地下資源に依存しない循環型経済に貢献する」と語りながら、「エプソンが提供しているほとんどの商品やサービスが環境負荷の低減に貢献する。これらも環境投資と捉えれば、10年間で1兆円を超える投資規模になる」とも述べた。
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