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楽曲生成AI「Suno v3」登場。インスト曲にも対応し透かし技術も導入

2024年03月22日 12時25分更新

文● 田口和裕

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 米AIスタートアップのSunoは3月22日(日本時間)、同社が公開するAI作曲サービス「Suno」を最新版であるV3にバージョンアップ。本バージョンより悪用を防ぐため、Sunoを使用して曲が作成されたかどうかを検出できる不可聴の透かしが入れられることになった。

曲の終わりも自然に

 同サービスは生成AI技術を利用し、プロンプトを入力するだけで歌詞、伴奏、ボーカルまで作成できるサービス。

 2023年12月にベータ版としてサービスが開始されると、AIが作ったとは思えないレベルの楽曲が生成されるとXなどのSNSで話題になり、マイクロソフトのAIチャットサービス「Copilot」にも公式プラグインの一つとして採用されている。

 2月後半より有償ユーザーのみにアルファ版が公開されていたV3だが、本公開にあたって無料ユーザーも1日最大20曲まで利用できるようになった。

 今回のバージョンアップでは、高音質化や対応する言語、音楽カテゴリーの増強が図られたほか、1曲の長さも最大1分20秒から2分までに延長された。

 また、アルゴリズムの改良によってプロンプトにより忠実に曲を生成できるようになり、テーマやジャンルから外れた展開が減ったほか、以前はブツ切れが多かった曲の終わり方もより自然になったという。

 また、実際のアーティストの歌声に似せたフェイク動画の作成などの悪用から保護するため、AIが作成した楽曲を検出できる人間の耳では検出できない透かしが埋め込まれている。

 さらに、これまではボーカル入りの楽曲しか作れなかったが、インストゥルメンタル(ボーカルなし)の楽曲も選択可能になった。

 なお、有償プランの価格や条件についてはこれまでと特に変更は見られないようだ。

インスト曲を作ってみる

 ボーカルを利用したくない場合は「Instrumental」にチェックを入れる。もちろんその場合は歌詞を入力する必要はない。

 上記は筆者が実際に作成したインストゥルメンタル楽曲。「Juke Footwork」という比較的マイナーなジャンルを指定したが、ばっちりそれっぽい曲が生成されている。

 こちらは「Amapiano」という南アフリカ発祥のジャンルでリクエストしたもの。こちらも雰囲気を捉えている。ただ、エンディングは少し唐突に感じた。

 これまでは歌詞が付いていたため利用シーンは比較的限られていたが、インストゥルメンタル曲を生成可能になったため、動画のBGMなどの需要にも応えられるようになったことは大きい。

 V4もすでに開発中とアナウンスされており、今後は本格的に商用利用にシフトしてくるのではないかと予想できる。

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