「虎ノ門をXRの聖地に」TOKYO NODEで生まれた新しくクリエイティブな都市体験
「TOKYO NODE XR Hackathon powered by PLATEAU 2023 最終審査会 AWARD NIGHT」レポート
提供: PLATEAU/国土交通省
この記事は、国土交通省が進める「まちづくりのデジタルトランスフォーメーション」についてのウェブサイト「Project PLATEAU by MLIT」に掲載されている記事の転載です。
2024年2月10日、XRアプリ開発コンテスト「TOKYO NODE XR HACKATHON powered by PLATEAU」の最終審査会が虎ノ門ヒルズステーションタワーのTOKYO NODE・メインホールで行われた。2023年11月に始まり、参加者は2カ月半にわたって自分たちのアイデアを形にしてきた。当日、ファイナリストに選ばれた16組から受賞者が選ばれた。
「オフィスビルが集中するビジネスエリア」から、大規模複合施設が立ち並ぶ「人が集まる都市」へと変貌を進めている虎ノ門。その中心となる虎ノ門ヒルズ ステーションタワーには情報発信拠点として「TOKYO NODE」が設置されている。リアルとデジタルを融合する世界の創出を目指し、多様なクリエイターが集まる場だ。今回のハッカソンでは、新たな「まちづくり」を目指し、TOKYO NODEとPLATEAUがタッグを組んだ。
今回のハッカソンでは、虎ノ門の街のさまざまなデータを提供するシステムとして、「デジタルツイン虎ノ門」「デジタルツイン虎ノ門SDK for Unity(以下、虎ノ門SDK)」が参加者に提供されているのが特徴だ。開発を担当したのはSYMMETRY。現実世界にデジタルコンテンツを表示するには、表示位置や現地にある建物を正確に捉える必要がある。
前者のデジタルツイン虎ノ門のWebビューワでは、3D一人称視点による建物内の移動も可能であり、さらに現実空間でのフロアにおけるリアルタイムな人流データの表示もできるようになっている。
また後者のSDKでは、Geospatial APIとImmersalによる位置と建物を正確にマッチングする技術である「Visual Positioning System(VPS)」に加え、建物内での階数位置まで特定可能な高精度測位サービスPinaccleによる情報の取得、さらにPLATEAU(虎ノ門BIM、虎ノ門街区)による都市の3Dデータ提供がなされている。デジタルツインのモデルがあることでVPSによるARオクルージョンが実現している。
加えて、VPSとデジタルツインモデルの位置合わせも、SDK上で正確に行ったうえで提供。SDKをインストールしたUnity Editor上では、LOD3およびBIMから作られた屋外建物、屋内フロアの3Dモデルが利用可能(ARアプリケーションで使う屋内&屋外のオクルージョンマスク処理用として想定)となっている。クリエイターがデータを自由に使えるように、コンテンツ作成時間が大幅に短縮された。
PLATEAUが使われているのは、まさにリアルとデジタルを結び付ける部分だ。屋外のLOD3モデルと森ビルから提供されたBIMをベースに、屋内のLOD4モデルを統合したデジタルツインデータが提供されている。
開発者向けWebビューワ内では、PLATEAUのLOD3、LOD4モデルを使って虎ノ門エリアの屋内・屋外の3D構造を確認できるようになっている。なお、LOD4モデルは森ビル提供の虎ノ門ヒルズ ステーションタワーのBIMデータから開発された。
このようなデータやSDKの支援を受けた形で、当日は16組がプレゼンを実施した。以下、栄えある受賞作品を紹介したい。審査員は、内山裕弥氏(国土交通省 総合政策局 情報政策課 IT戦略企画調整官 / 都市局 都市政策課 デジタル情報活用推進室)、朴正義氏(株式会社バスキュール 代表取締役)、松島倫明氏(『WIRED』日本版 編集長)、杉山央氏(森ビル株式会社 TOKYO NODE 運営室)の4名が務めている。