Luupは3月18日、LUUPの電動キックボードや電動アシスト自転車の安全な走行をサポートする取り組みとして、「ナビ機能」の試験提供を3月最終週より開始することを発表した。本機能は、ナビタイムジャパンとの連携に基づいた取り組みであり、「NAVITIME API」の自転車ルート検索機能を活用して、LUUP利用時の推奨ルートをアプリ画面上に表示する。
2023年7月の改正道路交通法により、電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」と位置付けられ、車道走行と一定条件下の歩道走行が可能になった。Luupは利用者に対し、交通ルールの理解を促す取り組みを行ってきたが、一部利用者の悪質な違反行為が発生している。交通違反を減らすため、Luupでは違反者へのアカウント凍結などの対策に加え、新たな解決策を検討している。
警察庁の発表では、特定小型原動機付自転車による違反の中で「通行区分違反」が最多となっている。同社は、電動キックボードで歩道を走行する悪質な利用者がいる背景の一つとして、自動車の交通量が多い車道での走行に危険を感じ、違反であることを自覚しつつもその危険を回避するために歩道に乗り上げている実態があるのではないかと推測している。
このような状況から、同社は今回、自転車に適したルート検索機能を活用することで、LUUPのライドに対して出発ポートから目的地ポートまでの推奨ルートが、ライド開始と同時にアプリ内で表示される機能を開発した。
今回実装されたナビ機能は、交通規制や道幅など自転車特有の情報を考慮し、自転車が通行可能なルートが表示されることが特徴。経路の距離・所要時間・道路の幅や勾配などのバランスを考慮して算出されたものが、推奨ルートとして提案される。これにより、交通量が多い車道での走行の危険を回避するために歩道に乗り上げる利用者が減少することを目指す。
また今後、現在地に対してマップ画面が追従し、ルートの確認をより容易する自動追従や、ナビの表示も含めたダークモードなどの機能を開発する予定。本機能は、自転車向けルート検索APIを電動キックボード向け転用したものであり、将来的には、今回の試験提供を経て得られたフィードバックを参考に、特定小型原動機付自転車に最適なルートの検証等に取り組んででいく。
本機能は試験的な取り組みとして、まずは東京都内でiOS端末を対象に提供し、特定小型原動機付自転車専用のルートの検証等は今後ナビタイムジャパン社と連携の上、推進していく。