光らない液晶ディスプレーが世の中に必要な理由とは
深刻な光過敏でも見ることができる液晶
角川アスキー総合研究所は3日1日、「JAPAN INNOVATION DAY 2024」を開催した。ASCIIが実施するオールジャンルでの先端テクノロジーや製品、ビジネスソリューション、ディープテックに関する展示交流・ビジネスイベントだ。
開催6回目となる今回は、会場をこれまでよりも規模の大きいベルサール汐留に移し、13のセッションを実施。また先端デバイスやサービスを間近に体験できるブース展示は、開催史上初めて100を超えた。
Essence researchが展示したのは「Natural Light Display」という31.5型のディスプレーだ。
わたしたちが見ている景色は基本的に、物体が環境の明かりを反射して成り立つ「反射光の世界」だ。ところがスマートフォンやPCのディスプレーは有機ELやバックライトで自発的に発光しており、例外。
Natural Light Displayは、自発光する明かりの刺激が目に辛く感じたり、光過敏症を持ち、明るすぎるものを見るのが難しかったりする人の使用を想定した製品。「反射型液晶」という環境光を反射する特殊な液晶を採用し、紙を見るような自然な見え方を実現した点が特徴だ(バックライトも搭載するが、一般的なディスプレーと比較すると暗く、補助的な役割)。
ユーザーからは「このディスプレーのおかげで、コミュニケーションが取れるようになった」「明るいディスプレーを見ることができず仕事を辞めざるを得なかったが、このディスプレーで再び仕事に就くことができた」といった声が寄せられているという。