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山本 敦の「新選! オーディオレポート」 第32回

【レビュー】ボーズ、耳をふさがないイヤホンの「音もれしない秘密」を探る

2024年03月01日 19時15分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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Bose Musicアプリに搭載されているイコライザー。4つのプリセット、またはユーザーが任意に設定したパラメータを保存して繰り返し使えます

「Boseイマーシブオーディオ」も楽しめる

 Bose OpenAudioテクノロジーには、特に効果の強弱を設定する機能がありません。代わりに専用のモバイルアプリ「Bose Music」にはイヤホンの高音・低音の強弱が違う数種類のプリセットや、ユーザーが任意のバランスにサウンドを調整できるイコライザー機能があります。屋外を歩きながらBose Ultra Open Earbudsで音楽などオーディオを聞く時には、アプリのイコライザーを使って音のバランスを最適化するとよいでしょう。

 ただ、やはり本機は耳をふさがないイヤホンなので、強い騒音に囲まれる飛行機や地下鉄で使うとサウンドは聞こえづらくなります。こういう時には「Bose QuietComfort Ultra Earbuds」のようなノイズキャンセリング機能を搭載するイヤホンを使いわけるべきです。

 Bose QuietComfort Ultra Earbudsも搭載するボーズ独自の立体オーディオ技術である、BoseイマーシブオーディオがBose Ultra Open Earbudsにも載っています。

Bose Musicアプリからイマーシブオーディオを設定。ヘッドトラッキングを使わない「移動」と、使用する「静止」の2つのモードがあります

 Boseイマーシブオーディオはあらゆるコンテンツのサウンドを立体化できます。またイヤホンを装着したユーザーの顔の向きに合わせて、聴こえるサウンドの音像を固定、または連動させるヘッドトラッキング機能も合わせて楽しめます。

 密閉型のQuietComfort Ultra Earbudsとイマーシブオーディオの効果を聴きくらべてみました。ボーカルを中心としたバンドによる演奏は、密閉型のQuietComfortの方が声と楽器の音像がより力強く定位して、演奏のコントラストが明らかです。対して、耳をふさがないOpen Earbudsはイマーシブオーディオをオンにした時の音場の見晴らしがますますクリアに感じられました。オープン型イヤホンによる開放的なリスニング感がさらに一段、限界を超えてきます。イマーシブオーディオ機能をオンにしても音楽が薄まらないところも魅力的です。

 Boseイマーシブオーディオを利用するとバッテリーの減りが速くなります。イヤホンの内蔵バッテリーで音楽再生を連続して楽しめる時間は最大7.5時間ですが、イマーシブオーディオをオンにすると最大4.5時間になります。上手に使いわけましょう。

耳をふさがないイヤホンがあれば、音楽配信サービスのカラオケ機能がとても楽しくなります

 イヤホン本体はIPX4相当の防滴対応です。スポーツシーンでも使いやすいイヤホンでしたが、スポーツクラブでは店内BGMが混ざって聞こえるので、本機よりもノイキャンイヤホンの方が使いやすいと思います。オープン型イヤホンはApple Music Singなど、音楽配信サービスの「カラオケ機能」と好相性です。

 すでにお気に入りのイヤホン・ヘッドホンをお持ちの方も、耳をふさがないフルオープンスタイルのイヤホンをコレクションに加えるとポータブルオーディオライフの彩りが一段と豊かになります。Bose Ultra Open Earbudsは完成度が高く、おすすめできるイヤホンだと思います。

 
主なスペック
製品ジャンル ワイヤレスイヤホン
ブランド BOSE
製品名 Bose Ultra Open Earbuds
直販価格 3万9600円(3月5日発売予定)
ドライバー 非公表
コーデック AAC/SBC
再生時間 最大7.5時間(イヤホン単体、イマーシブオーディオ オフ)、充電ケースで追加充電することでさらに19.5時間再生が可能
防滴 IPX4
 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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