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武骨なデザインでユニークな機能にも注目、Core i9-14900で冷却力を検証

最大270WのTDP対応!ツインタワー空冷クーラーCORSAIR「A115」でハイエンドCPUを強力冷却!

2024年02月21日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

提供: CORSAIR

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定格を含めた5つの電力設定で、冷却性能をチェック

 用意したパソコンの構成は、CPUがCore i9-14900、マザーボードがASRock Z790 Steel Legend WiFi、メモリーがVENGEANCE RGB DDR5 16GB×2(DDR5-6000で動作)、ビデオカードがASUS TUF Gaming GeForce RTX 4070 12GBなど。

 長時間高負荷がかかる場合の電力設定PL1、短時間の電力設定PL2を変更し、それぞれの電力でどのくらい性能、騒音、CPU温度となるのかをチェックしてみた。

 負荷として採用したのは、「CINEBENCH R23」。Multi Coreテストを約10分間実行し、CPUの状態を「HWiNFO64 Pro」でチェックした。

   試した電力設定は、定格設定となる「PL1=65W、PL2=219W」、UEFIで空冷クーラーでの限界設定となっていた「PL1=125W、PL2=219W」、PL2の上限のまま動作するかのテスト用の「PL1=219W、PL2=219W」。ここまでが、基本的な性能を探るための設定だ。

 さらに上限を超える異常設定として、「PL1=256W、PL2=256W」、「PL1=320W、PL2=320W」の2つも試してみた。

Core i9-14900の定格設定は、PL1が65Wで、PL2が219W

 UEFIの設定は、「OC Tweaker」の「CPU Configuration」から変更。「Longu Duration Power Limit」がPL1で、CPUの仕様でいうところの「プロセッサーのベースパワー」。「Short Duration Power Limit」がPL2で、同様に「最大ターボパワー」となる。

OC Tweakerから、CPUの電力設定を変更した

 騒音は、パソコンの前方約30cmの距離で測定し、暗騒音は32.5dB前後ということを確認してある。

 「PL1=65W、PL2=219W」では、スコアは21985pts。PL1が低くなるためどうしてもスコアの伸びが悪い。その代わりCPUの平均温度は非常に低く、44度。最大も77度と低く、かなり余裕がある状態だ。

平均44度と非常に低く、かなり冷えていた

 騒音は33.5dBとこちらも低く、ファンの音が全く気にならないくらい静か。超静音マシンを考えているなら、この電力設定でいくことをオススメしたい。

 続いて、「PL1=125W、PL2=219W」。PL1の値が2倍近くに増えていることもあり、スコアは29543ptsと大きく上昇していた。CPU温度は、平均が58度で、最大が79度。さすがに平均温度は上昇しているとはいえ、それでもかなり低く、優秀な結果といえるだろう。

平均が58度と上昇していたが、まだまだ余裕がある

 騒音は36.3dBとわずかに上昇。ファンの回転音には気づくものの、気になるほどではない。性能と静音性のバランスを考えた場合に最適な設定といえそうだ。

 「PL1=219W、PL2=219W」は、定格での最大性能を常時維持するという、かなり厳しい設定だ。スコアは33695ptsと大きく伸びていたものの、CPU温度は平均で78度、最大85度とかなり上昇していた。とはいえ、サーマルスロットリングは動作しておらず、完璧に冷やしきれている状態だ。

温度はさらに上がっていたが、サーマルスロットリングは不発

 騒音は43.5dBとかなり増え、しっかりとファンの音が聞こえて気になるほど。例えるなら、扇風機の中~強くらいの音だと感じた。

 この3つの結果から、A115はCore i9-14900の定格最大電力で常時動作させたとしても、十分冷やせるだけの性能がある、というのは間違いないだろう。空冷クーラーでここまで冷やせるとは思っていなかっただけに、いい意味で裏切られた結果だ。

 ここからは、上限を超えた設定を試してみた結果を見ていこう。なお、ここからはUEFIの設定でPL1、PL2の設定だけでなく、「CPU Core Current Limit」の値も最大値へと変更している。

「CPU Core Current Limit」の上限も引き上げた

 「PL1=256W、PL2=256W」を試したときのスコアは、35124pts。さすがにスコアの伸びは大きくないものの、それでもしっかりと性能が上昇していた。ただし、CPU温度は平均88度とかなり高く、最大では101度。当然、サーマルスロットリングによる動作クロック低下もしばしば見られた。

 ただし、常時動作クロックが下がっている状態ではなく、テストを繰り返す瞬間だけ発動する、といった様子だった。

最大101度と高く、サーマルスロットリングによる動作クロック低下もあった

 騒音は44.3dB。耳で聞く限り、219Wの時とそこまで変わらない印象だ。

 最後に試したのが、「PL1=320W、PL2=320W」。正直、256Wでほぼ上限だろうと分かっていたので現実的ではないのだが、限界が見たかったため試してみた設定となる。

 スコアは35844ptsと増えてはいるものの、その差は820ptsしかなく、設定に見合った性能向上からは程遠い。CPU温度は平均で97度、最大102度と、こちらも常用するような値ではなかった。当然サーマルスロットリングは常時発動している状態だ。

CPUの温度が平均で97度と、驚くほど高くなっていた

 なお、CPU Package Powerの平均を見ると約272.9w。これは、TDP 270WというA115の冷却性能とほぼ同じになっていた。

 騒音は44.1dB。219Wや256Wの時と同様、ややうるさいなと感じる音だった。

定格の範囲で使うなら冷却性も静音性も優秀

 ハイエンドCPUだと簡易水冷クーラーを使うというのが常識になっているが、大型の空冷クーラーでも十分実用になることが分かった。また、気になっていた騒音も定格の範囲内であればそこまでうるさくならず、快適に利用できる。

 これは140mmと大きなファンを搭載しているA115だからこそだろう。騒音を気にしないのであれば、270Wくらいまで電力設定をゆるめられるというのもいいところだ。

 実売価格で1万7000円前後とそこまで高価ではなく、それでいて、5年保証という安心感があるのが魅力。定格の範囲内で静音クーラーとして使いたいという人はもちろん、高性能を引き出す強い空冷クーラーを探している、という人にもオススメしたい製品だ。

(提供:CORSAIR)

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