OpenAIは2月13日(現地時間)、ChatGPTとの会話を記録、過去の会話を参照しパーソナライズされた回答を可能にする「記憶(Memory)」機能を発表した。現在は一部のユーザー(無料版含む)を対象に段階的に導入されている。
一度言えば覚えてくれる
We’re testing ChatGPT's ability to remember things you discuss to make future chats more helpful.
— OpenAI (@OpenAI) February 13, 2024
This feature is being rolled out to a small portion of Free and Plus users, and it's easy to turn on or off. https://t.co/1Tv355oa7Vpic.twitter.com/BsFinBSTbs
日本語で質問したにも関わらず英語の回答が表示された場合、「特に指示がない限り回答はすべて日本語でお願いします」といった指示を与えればよいが、そのチャットが終了すると指示を忘れてしまうため、しかたなく毎回同じ指示をするといったことは誰もが体験しているのではないだろうか。
記憶機能が導入されたChatGPTは会話の内容を記憶していくため、情報を繰り返し伝える必要がなくなっていく。特定のことを記憶するよう明示的に依頼することも可能だ。記憶は使用すればするほど向上し、「時間が経つにつれて改善が目に見えるようになっていく」という。
例えば、「会議のメモには見出し、箇条書き、アクションアイテムを追加して」と説明した場合、ChatGPTはこれを記憶し、次回以降も同じフォーマットで会議メモを作ってくれるのだ。
記憶機能を使いたくない場合は「Settings」「Personalization」「Memory」からいつでもオフにすることができる。また、なにかを忘れてほしい場合も指示を与えればよいが、「Settings」「Personalization」「Manage Memory」で特定の記憶を閲覧して削除することもできる。
記憶を使用せずに会話をしたい場合は一時(テンポラリー)チャットを使用する。一時チャットは履歴にも表示されないため、機密度の高い相談をするときなどに便利だ。
また、「GPTs」機能を使って作成したオリジナルGPTにも記憶機能は実装されるため、GPTごとに独自の記憶を持つということも可能になる。
プライバシーにも配慮
記憶を含むChatGPTとの会話はAIのトレーニングに使用される可能性があるが、設定から「Settings」「Data controls」「Chat history & Trainig」をオフにすることでそれを禁止することができる。
また、記憶機能でどのような情報を記憶すべきか、逆にどのような情報は記憶しないほうがよいかについて、OpenAIは様々な先入観を軽減するための措置を講じており、健康に関する詳細など機密性の高い情報はChatGPTが記憶しないようにしているという。
なお、1月10日にお伝えした「ChatGPT、ユーザーとのチャット履歴から学習するパーソナライゼーション機能を追加へ」は、本機能の一部であることがわかった。