山本 敦の「新選! オーディオレポート」 第30回
Snapdragon SoundやAuracastにも初対応! 立体サウンドスピーカー「Pave」を聴いた
2024年02月17日 12時00分更新
iPhoneやMacにも対応!
1台で包み込まれる臨場感を再現する
PaveはクアルコムのBluetoothオーディオ向けSoC「Qualcomm S5 Gen 2 Platform」を採用しています。Snapdragon Soundに対応するスマホにつなぐと、aptX Adaptiveコーデックによる最大96kHz/24bitのハイレゾワイヤレス再生などが楽しめます。マイクも内蔵しているので、ハンズフリー通話にも使えます。iPhoneによるBluetoothオーディオ再生時にはAACコーデックでつながり、iPhoneやiPadによるワイヤレス音楽再生のベストを引き出します。
初期出荷時には、立体音響技術のCearFieldが常時オンになっています。iPhoneをペアリングしてApple Musicの楽曲を再生してみると、手が届く距離に置いたスピーカーの周囲にライブスペースやコンサートホールがたちまち広がるような、不思議なサウンドに包まれました。
今回シーイヤーに借りて自宅で試したPaveは、試作段階のプロトタイプです。最初のユニットを出荷する頃にはiOS/Android対応のモバイルアプリを用意して、CearFieldをベースにした「ミュージック」「ゲーム・シネマ」「BGM」のような複数件のサウンドモードを切り替えながら、音場感を聴き比べられる機能も提供されるそうです。
Paveの本体背面にはUSB Type-Cポートがあります。iPhoneやAndroidスマホ、MacBookなどを直接つなげば、最大96kHz/24bitのハイレゾロスレス再生にも楽しみが広がります。現時点の仕様はハイレゾ再生時にもCearFieldがかかるため、リスニング感はやや個性的でした。
Paveは本体に6軸加速度ジャイロセンサーを内蔵しています。スピーカーからリスナーがいる位置までの距離と方向を自動判定します。例えばスピーカーがリスナーの正面ではなく、左右どちらかに偏った位置に置かれた場合でも、環境に応じてベストな立体サウンドを再現します。
スピーカーを置く向きは自由に決められますが、ロゴを正面向きに置くと、左右に向いたユニットから音が鳴るCearFieldにとって理想的な再生スタイルになります。このまま、ディスプレイを開いたMacBookの後側にPaveを隠すように置いても豊かな音の広がり感が楽しめました。デスクトップシアター、またはテレビにBluetoothで接続したPaveを手もとに置いて、小音量でも明瞭なサウンドを聴く用途にも活用できそうです。
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