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データ仮想化/論理データファブリックの特徴を生かすため、SIパートナーと共に顧客と伴走

Denodo、「知名度向上」「パートナー連携強化」など2024年の国内事業戦略

2024年01月31日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 データマネジメント製品ベンダーのDenodo Japanは、2024年1月30日、国内の事業戦略とパートナー戦略に関する記者説明会を開催した。日本市場における2024年の重要施策として、「Deonodoのブランディング、知名度向上」「既存顧客へのサポート強化」「パートナーとの連携強化」の3点を挙げた。

Denodo Japan(デノード ジャパン) リージョナルVP&ジャパンGMの中山尚美氏、同社 パートナービジネス戦略部長の赤羽善浩氏

独自のデータ仮想化技術による「ロジカル・データファブリック」が強み

 米国で1999年に創業し、今年で25周年を迎えるDenodoは、データマネジメント/データファブリックのソフトウェア/SaaSを提供するベンダーだ。調査会社のガートナーやフォレスターによるデータ統合ツール/データファブリック領域における評価では「リーダー」ポジションを獲得しており、グローバルで毎年30~50%の成長を維持しているという。グローバルの採用企業数は1100社以上、契約パートナーは300社以上。また日本国内では2019年から本格展開を始め、採用企業は約50社、販売パートナーは10社。

 Denodoの特徴は、独自の「データ仮想化技術」で実現する「ロジカル(論理)データファブリック」だ。

 一般的なデータ統合処理は、多様な場所/形式で保存されているソースデータを、物理的に一カ所にコピー(移動)する形で行われる。一方でDenodoの場合は、データをコピーすることなく、そのまま論理的に(仮想的に)統合する。同社ではこれを「ロジカル(論理)データファブリック」と呼ぶ。

 近年、企業が扱うデータ量と利用用途が大幅に拡大した結果、旧来型のデータ統合手法では「データ提供までのリードタイム」「統合処理にかかるコスト」「セキュリティ/ガバナンス」のいずれの面でも課題が生じていると、中山氏は指摘する。「ガートナーは『データ活用が進めば進むほど、データを物理的に一カ所に集めることが困難になってくる』と言っている」(中山氏)

 一方で、Denodoのロジカル・データファブリックでは、データソースを接続し、データの統合方法(ツリー構造)をノーコードで定義するだけで、すぐに統合済みデータへのアクセスが可能になる。中山氏は「ガートナーがMagic Quadrantの『リーダー』に選ぶベンダーの中で、Denodoが唯一、仮想化によるデータ統合を実現している」と説明し、「統合までのスピードが圧倒的に速く、大きなコストもかからない」とDenodoの優位性をアピールする。

Denodoが実現する「ロジカル(論理)データファブリック」

旧来のデータ統合手法がはらむ課題と、Denodoが実現するデータ統合手法

 ソースデータを移動させずに統合できるため、たとえばマルチクラウド環境内やグローバルに展開する自社拠点間、グループ企業間でのデータ連携/共有も効率的かつセキュアに行える。また、社内にある多様なデータソース(データレイク、DWH、DBなど)を統合して単一のプラットフォームを構成するのも容易であり、その一例として中山氏はNECが構築した「One NEC Dataプラットフォーム」を紹介した。

NECでは「SAP S/4HANA」「Snowflake」といったDWHを含むソースのデータをDenodoで統合し、分析/レポートができるようにしている

2024年は「知名度向上」「カスタマーサクセス」「パートナー連携強化」

 日本市場における2024年の重要施策として、中山氏は前述したとおり「Deonodoのブランディング、知名度向上」「既存顧客へのサポート強化」「パートナーとの連携強化」の3点を挙げた。

Denodo Japanの2024年重要施策

 まずブランディングと知名度の向上については、投資会社から「ソリューションの評価は高いが、知名度が足りない」との指摘を受けており、今年は新たに担当VPを設けて本格的に取り組みを進めるという。今年は製品の新バージョン(V9)リリースを予定しているほか、機能強化や生成AI関連機能の追加などを通じて、他社との差別化ポイントのアピールを進める。また、現在はサブスクリプションモデルの価格体系だが、これを従量課金型の価格モデルに改める議論も社内で進めているとした。

 なお、これまでは製造、建設、自動車といった業界では一定の知名度を獲得できている一方で、金融、流通/小売といった業界にはまだあまりリーチできておらず、大きくその2つの業界で知名度の向上に注力したいと述べた。

 既存顧客に対するサポート強化については、2022年から本格的に立ち上げたカスタマーサクセスチームをさらに強化していくと説明した。カスタマーサクセス、カスタマーコンサルティング&サポート、エデュケーション&トレーニングの3部門で構成しており、顧客のデータ活用プロジェクトを伴走型で支援するという。そのための人材採用も強化する。

 パートナービジネスの強化については、同社 パートナービジネス戦略部長の赤羽善浩氏が説明した。

 赤羽氏はまず、DenodoのパートナーにはISVやCSPといったDenodo製品とプロダクト連携する「テクノロジーパートナー」と、Denodo製品の提案や導入、保守運用などのサービスを手がける「SI/販売パートナー」がいると説明する。

 このうち、特に日本市場において施策を強化していくのがSI/販売パートナーだ。他国に比べて日本市場はシステム内製化比率が低いため、顧客企業がデータ活用プロジェクトで成功を収めるためには、DenodoとSI/販売パートナーが密に連携して顧客を伴走支援する必要があると説明する。そこで、日本限定でVARモデル(付加価値再販モデル)を用意して、パートナーと共に販売/支援活動を展開していく。

 具体的な取り組みとして、赤羽氏は「パートナー社内での認知度向上」「営業担当どうしの密な連携」「共同マーケティングの推進」「パートナー向けトレーニング強化」などを挙げた。

 なお、Denodoでは国内で10社のSI/販売パートナーを持つが、まずはこれらの既存パートナーから協業を深める取り組みを進めたいとした。同時に、新たなパートナーの獲得も継続的に進めていく方針。

Denodoにはテクノロジーパートナー、SI/販売パートナーがいるが、日本市場では特にSI/販売パートナーとの連携施策に注力していく

SI/販売パートナープログラムの詳細

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