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DXでのデータ活用を可能にした現場担当だからこその目線

自動化とデータ活用で業務改善 ユーザックシステムとマルマンの現場事例

文●大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: ユーザックシステム

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FAX7割だった受注業務を、3年間で8割EDI化

 相模工場においてITを使った事務処理の効率化・自動化に携わっていた野々垣氏だが、2020年9月からは本社勤務に異動となり、今度は全社の受注業務の効率化を受け持つことになった。「当時は受注の7割が手入力で、来たFAXを人がシステムに入力していました。デジタル化されたWebEDIは3割程度。それを3年後には8割にするというのが、私のタスクでした」と野々垣氏は語る。

 まずやったのはマルマン側でのEDI対応の自動化だ。今まではPDFの注文データをマルマンの担当者が基幹システムに登録していたが、今回Autoジョブ名人を使うことで、受注側が発注側からCSV形式の注文データをダウンロードし、それを加工して、基幹システムに登録するという処理が自動化されている。

 また、FAXに関しては、インターネットFAXのイメージデータをメールで送信。受信したファイルを保存すると、Autoジョブ名人がそれを検知。AI-OCRの「DX-Suite」にアップロードし、CSVファイル化。人手の確認を経た後、再度Autoジョブ名人で基幹システムへの登録までを済ませている。「店舗はまだまだ手書きの注文が多いので、AI-OCRで読みやすいフォーマットを配布して、使ってもらっています」と野々垣氏は語る。

 EDI化とRPAの導入により、受注ミスやトラブルは明らかに減り、顧客の満足度は上がった。もちろん時間も節約され、手入力を行なうメンバーは3年前の半分に減ったという。EDI化の推進とともに、今後チャレンジしていくのはデータの活用だ。野々垣氏は、「送り状名人で配送や出荷実績をデータ化できたし、最近は運用会社からの請求書もデータ化されているので、両者を突合しやすくなった。これによって、運送コストを最適化できるはずです」とデータ活用のイメージを語る。

 ユーザックシステム、マルマンとも実は基盤がSalesforceである点は共通している。そのため、単なる顧客と営業という関係を超え、データ活用に関して、有益な情報交換ができているという。清水氏は、「野々垣さんは業務改善を進められた経験が豊富なので、Salesforce活用・改善についてもスピードが速いですね。先日お話ししたときは私が1~2年かかった部分をすでに数ヶ月で習得されているようでした」と語る。

自動化とデータ活用を推進するツール、現場発DXの可能性

 マルマンの事例も手がけてきた清水氏からすると、自社ツール、他社ツール含めて、それぞれ一長一短があり、それらを組み合わせることが重要だという。自社ツールの評価を聞いてみよう。

 まずはAutoジョブ名人。「Autoジョブ名人はやはり汎用RPAなので、自動化対象を選ばないのが強み。PowerAutomateなどでは難しいスケジュールも細かく設定できるので、日々の運用においては、手離れはいいと思います」と評価する。一方で大量データの繰り返し処理はエラーになった場合のリカバリが難しいため、TranSpeedで一括処理したほうがよいという。

 TranSpeedに関してはRPAやExcelでは面倒なデータ変換が容易にできるメリットがあるという。「たとえば、同じ顧客のデータの重複排除の場合、削除に判断が必要なのでExcelの場合は複数の操作が必要だし、RPAは条件分岐を設計しなければいけません。でも、TranSpeedであれば、設定画面で重複データの処理に関するルールを作れば、重複データは更新しないという処理が可能です」と清水氏は語る。

 大量データの一括処理が可能なTranSpeedをAutoジョブ名人と組み合わせると、導入効果もより高くなるという。「人手をかけてデータ変換や加工を行なう場合、間違わないように注意しながら進めるので、どうしてもチェックに時間がかかります。その点、TranSpeedで一括変換できるようになると、自動化による業務の削減時間はかなり大きくなります」と清水氏。

 ユーザックシステムとマルマンの事例で共通しているのは、情報システム部ではなく、現場部門がシステムの運用を手がけている点である。Autoジョブ名人やTranSpeedのようなノーコード/ローコードの台頭により、システム開発の敷居はますます下がり、現場発のIT活用はどんどん加速している。今後、業務に精通した現場部門でのリスキリングとIT活用が、DXの大きな原動力になっていくことは間違いない。

 最後、清水氏にどういった人がこうした業務改善で自動化やデータ活用を進められるのか、資質について聞いてみたら、こんな答えが返ってきた。「自分の仕事をかみくだける人ですかね。マニュアル通りに業務をしている人ではなく、なんでこんな仕事しているんだろう?という疑問からスタートできる人であれば、自動化やデータ活用は向いていると思います」(清水氏)。人手不足は加速し、マンパワーでの作業に限界を迎える昨今、自動化やデータ活用の取り組みは、どの企業でも必須となっていくと考えている。

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